春も未だ遠き日、運命の王子は愛した少女の亡骸を抱いて慟哭した。
摩天楼に浮かんだ煌びやかな貴種の微笑みを血涙する憎悪の眼で睨み上げ、復讐を胸に帝国を発った。
春も未だ遠き日、運命の聖女は未だ世界の悪意を知らない。悪なる者と善なる者の
区別さえつかずに落雪する大地に横たわる者どもを見つめていた。
春も未だ遠き日、野良犬は旅立った。
世界を知るために、好奇心を満たすために、そして己が死を覆すために。俺は運命の駒じゃない、俺は俺だと遠吠えを謳いながら野良犬は世界を駆け抜けた。
時は来た。春はもうすぐ傍だ。さあ聴こえるだろう運命の足音が!
舞台はすでに整った、帝国はすでに沸騰しているぞ。無限に積み重なる憎悪の負債が大量の死を願い、悪意の聖歌を唱え始めている。
これより始まるは嵐の春。狂気と裏切りがルールの狂った宴。何も知らぬでは絶命は必死。何一つ欠ける事のない準備は整っているのだろうな!
お前が立ち向かうは死の運命。生半可な決意ではまた犬死にだ。今度は誰を信じる、その友を信じていいのか? 馬鹿め、幾度裏切られれば学ぶのだ。どうせ裏切られるのなら先に裏切ってしまえ。友も女もすべて裏切ってしまえばお前は無敵だ!
野良犬よお前に守り抜けるのか? 愛した公女を、憎めぬ友を、兄と慕った閣下を、そして己が身を、お前の積み上げてきた全てが試されようとしているぞ。
春はすでに眼前にあり、革命の聖女の物語が幕を上げる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-24 11:43:59
1674862文字
会話率:51%
俺――山村明人は、四畳半の部屋で凍えるようにして死んでしまった。だが、再び目を覚ますと俺は小学生になっていて、死んでしまったはずの義両親が目の前に存在していた。また、小学生のときに亡くなってしまった同級生で、隣の家の女の子――歌島生美まで生
きている。
これは夢なのか――?
しかし、時間がたつにつれて、どうやら過去に戻ったらしいと気がつく。歌島を助けるなど自分の人生をやり直しているうちに、どんどん未来は明るくなっていく。
そして、高校生になったときには、当たり前のように歌島生美が俺の隣にいた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-02 19:17:48
155715文字
会話率:33%
肺炎で緊急入院したら、混濁した意識の中で1945年の沖縄戦と今の沖縄の現実が現れた。
最終更新:2020-09-22 14:46:27
10142文字
会話率:28%
3万年の拷問それが勇者に課された罰である。
伝説の存在”奈落の王”を討つために、犬死にした勇者の後釜として転生させられたルイ。
異世界での人生と、何より死後の安寧を守るためルイは全てを犠牲にして戦いを挑む。家族と争い、友を疑い、謀略と戦争の
果てに彼の望む安寧はあるのか…
まあ、とりあえず読んでみてください折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-20 21:00:00
46412文字
会話率:42%