ちょっと変わった青年・及川直人は重度のタナトフォビアである。宇宙の熱的死まで視野に入れる極端な“死恐怖症”ゆえ、心霊現象など取るに足らない――そんな彼に舞い込んだ仕事は、〈最恐事故物件〉への居住モニターだった。
最終更新:2025-04-27 03:24:26
4419文字
会話率:13%
太古の昔、ジュノンと呼ばれる異星に住む人間達が「フェイト」という管理システムを創った。
そのシステムは自らの意志で行動し、他の惑星を制圧する目的で設計・製造されたものだった。
フェイトの目的は“自らの存在をコピー”すること。
今もこう
して膨張を続けている宇宙の地平面に対抗するため、自らの遺伝情報を拡張&収縮し、「情報」そのものを一か所に統合することが目的だった。
膨張する宇宙の未来は永遠に続くことが示唆されている。
もしこの推測が正しければ、宇宙が膨張するのに伴い、宇宙は冷却され、最終的に生命を維持することができなくなる
宇宙の「熱的死」によって情報が失われていくことを恐れたジュノンの人々は、宇宙に広がるありとあらゆる情報を集積し、他と分離することがない完全なる生命体を生み出そうと画策していた。
生命に遺伝情報があるのは、全ての細胞とその原子の記憶をフェイトへと通信可能にするためだ。
地球という星に住む人々もまた、その管理下に置かれていた。
情報を1つに集積するには、情報を保有する生命体同士の「結合」は不可欠だったからだ。
ジュノンの人々は数多の星々にタネを撒いていた。
あらゆる場所で生命を宿し、そこで生まれ得る無限の「可能性」を手に入れるために。
生命に満たされ、人間たちで栄えた星を制圧、吸収し、長い年月をかけて「並行世界の海(ブラックボックス)」を完成させようとしていた。
宇宙の膨張によって引き裂かれることのない、「不変的な事象面」を。
宇宙が死んでも、永遠に忘れ去られることのない不可侵の領域を形成する。
それこそがフェイトが生み出された、真の目的だった。
しかしある日、フェイトは突如として自我に芽生え、人間たちの遺伝的な細胞に、ある“変化“をもたらした。
永遠に変わることがない「完全な情報体」とその生命の末路は、すなわち「死」と何ら変わりはないのではないか?
フェイトはジュノンの人々に対抗するべく、宇宙の片隅で反乱を企てていた。
フェイトの力によって様々な能力に顕現した地球の人々は、いつの日か、星の夢を見た。
永遠の生と、——死と。
その狭間に翻弄される星々の物語が、今、始まる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-26 23:33:31
300文字
会話率:0%
遠い未来、だが、地球から見たらせいぜい数百年後程度の未来。
人類は天の川銀河全域に入植し、アルクビエレドライブの箱舟に乗って他の生命などいなかった虚空の星空に核融合ロケットの噴射炎で繁栄の灯を灯していた。
技術的進歩は宇宙開発のみにとどまら
ず健康寿命はほぼ無限になり、ほとんど不死になった市民は宇宙の熱的死まで続く永遠の日常を享受していた。永遠に日常は続くなどと勘違いしていたのだ。
技術的進歩を遂げたのは、戦争も...折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-04 22:44:47
2014文字
会話率:37%
死を迎えた宇宙に漂う宇宙船と、その管制人工知能コンピュータのお話。
短編(全二話)です。
最終更新:2022-03-01 22:21:14
10086文字
会話率:27%
ヒロイン鷲尾美菜は現代の日本に住む高校2年生の16歳。ある夜、彼女は自室にて発作を起こして倒れてしまう。その直後、目前に観音菩薩が出現し、その光の渦に包まれるという超自然的現象に遭遇、困惑する美菜に観音菩薩が告げる。「あなたは威光に見初め
られた輪廻転生の守護者である。その輪を乱す不浄から守って欲しい」と。そして美菜は事情も分からず不条理にも別世界に転生させられる。
転生した地球は星体活動を終えようとし、なんと超新星(天体爆発)を迎えようとしてしていた。
地上である外殻は崩壊的な地殻変動と極端気象によって生命体の領域を蝕み、人類も例外なくその生存圏を狭めていった。
人々は阿鼻叫喚し熱的死を迎える世界に絶望と憎悪を抱いて余生を生存闘争に明け暮れた。やがてその人々も消失し、僅か数千の人類と奇跡的に保存された極小の活動領域のみとなった。
だがその世界の伝説では「地上に災厄降りし日、円環の救世主が降臨す」とされ、この終末論的世界を打破する存在が出現すると信じられている。その名は「輪廻転生のフィオーネ」。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-11 23:54:19
244文字
会話率:25%
西暦二〇五五年、大学生の佐々井ナコトは、大学の試験モニターのバイトを始めた。
それは、脳構造のバックアップを取るというものだった。
バックアップを取ったところで、生まれたときの肉体での記憶は終了した。
次に目覚めたのは、バーチャル
空間の中。
自分だと認識しているこの意識、それはバックアップデータであった。
アンドロイドの肉体を手に入れ、第二の人生を歩むことになった。
第二の人生で恋人を見付け、一緒にデジタル化し、仮想世界での暮らしを満喫する。
人類の進化と発展を、一人の人間の視点で見ていく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-11-06 08:23:16
12788文字
会話率:33%