資産家である東竹家のお嬢様、志摩子。実は彼女は中学の時に両親を亡くし、親戚であったこの家に迎え入れられたのだ。それまでの質素な生活とは異なる何不自由ない暮らしだったが、彼女の心が昔のように温まることは無かった。
東竹家の女の役割は、事業のた
め家のために政略結婚をすること。志摩子の相手は、ライバルの西竹家の17歳も年上男性。だが全てを諦めている志摩子にとってはどうでもよいことだった。形ばかりの見合いの日に志摩子は、「自分の人生を生きて」という母の遺言を思い出す。
そんな志摩子には、誰にも言えない気になる男性がいた。しかし時おり会うその人のことを志摩子はほとんど何も知らないのだ。名前も、声も、顔すらも……
家紋武範さま主催「夕焼け企画」参加作品
(この物語は、書き友さんの歌川詩季さま著『河袋駅のねじれ問題—— 西口の東竹百貨店と、東口の西竹百貨店の謎https://ncode.syosetu.com/n7500il/』の設定から着想を得ました。歌川詩季さま、アイデアの種をどうもありがとうございます!)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-01 06:06:18
7628文字
会話率:16%
河袋駅の西口と東口に建てられた、ふたつのビル。
そこには、とある「ねじれ問題」が。
最終更新:2023-10-31 12:00:00
872文字
会話率:0%