音楽の王国に、姉妹の可愛いお姫様がいました。
ところが、姉姫は生まれつき口が利けません。
当然、歌も唄えません。
母親である女王は、「出来損ないも良いところだわ」と嫌って、妹姫ばかりを可愛がります。
姉姫は楽器も触らせてもらえず、雑用ばかり
を命じられ、下女部屋で寝起きする生活を強いられてしまいました。
ところが、王宮から漏れ聴こえるハープの音色に魅せられて、音楽に興味を持ち、壊れたハープを手に入れると、熱心に演奏し、多くの聴衆を集めて〈音神姫〉と称されるほどになりました。
母親である女王は、そんな姉姫を利用しようと考えます。
妹姫を表舞台に立たせて、陰で姉姫にハープを弾かせて、「妹姫が演奏した」と思わせようとしたのです。
帝国の皇太子の前でも、同じように演奏させ、結果、妹姫を皇宮に送り込むことに成功しました。
ところが、妹姫はハープを上手に弾けません。
じつは姉姫が演奏していたと知り、皇太子は激怒します。
音楽の女王は、口の利けない「出来損ない」の姉姫が、〈音神姫〉と称されるほどの名演奏家とバレて、皇宮に呼ばれることが許せません。
とうとう刃物を持ち出し、泣き叫ぶのを無視して、姉姫の指を根こそぎ切ってしまいました。
実母による、あまりに酷い仕打ちに、帝国の皇太子のみならず、他の王国のお姫様たちも憤慨しーー。
※ざまぁ系のストーリーです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-09 14:10:00
11488文字
会話率:20%
ハーモニカが気になるギター小僧でした。
最終更新:2023-02-08 11:00:00
449文字
会話率:0%
「レニー・フローレスとの婚約をここに破棄する!」
登場するや否や、拡声魔道具を使用して第三王子のフランシス・コロネルが婚約破棄の意思を声明した。
レニー・フローレスは『カナリア姫』との二つ名を持つ音楽家で有名なフローレス侯爵家の長女で、
彼女自身も歌にバイオリン、ヴィオラ、ピアノにハープとさまざまな楽器を使いこなす歌姫だ。少々ふくよかではあるが、カナリア色の巻毛にけぶるような長いまつ毛、瑞々しい唇が独身男性を虜にした。鳩胸にたわわな二つの山も視線を集め、清楚な中にも女性らしさを身につけ背筋を伸ばして佇むその姿は、まさに王子妃として相応しいと誰もが思っていたのだが。
どうやら婚約者である第三王子は違ったらしい。
この婚約破棄から、国は存亡の危機に陥っていくのだが。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-09 09:05:05
18173文字
会話率:48%
この世界には、モノノリュウという、力ある竜が居るという。
その竜が見る夢が宿ったモノには意思が宿り、世界へ影響を及ぼすという話だ。
人の見る夢が、悪夢であったり吉夢であったりと様々であるように、竜の夢も、良いものや悪いものと様々な形を
持って、世界へと食い込んでいく。
その竜の夢を還す、モノガリと言う職業がある。
モノガリの青年ユディは、夢の根源であるモノノリュウを倒すために旅立った。
この世界は、異文化の侵略を受けている、と誰かは言う。
碧玉という果実をリンゴと呼び、トゥルリラという楽器をオカリナと呼ぶ人間が増えてきているらしい。
文明はブーストがかかったように進化をはじめ、今や記録媒体である本は娯楽へと姿を変え、かつてよりも手軽に手に入れられる程の身近な存在になった。
しかし、その言語や文明の出所を、誰も知ることができない。
やがて、真昼の空が翡翠色に輝くこの世界において、『青い空の世界』という、ありえない世界の存在が浮かび上がる。
ユディは、妖精のリルハープ、女騎士のリコリネと共に、その秘密を解き明かすことができるのか。
※出血描写があります。
※途中までは、毎日更新できると思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-31 21:00:00
1120151文字
会話率:40%
春から高校三年生となる希望の光の中の一人の少女、
ある春の日、彼女は心から信愛していた者を失う。
そのことからすべてををなくした彼女は世界から色が失せ、大好きだった音楽さえも失った。ついに彼女は自分の存在さえも失くすことに…決心などせず流れ
るがままに春の風に身を任せる。
目を覚ますはずのない彼女が暗闇から目を覚ますとそこには、まばゆい光の世界が広がっていた。目をくらませながら木の門を超えればそこには森の中に広がる動物たちの国が。
その国ではすべての動物に音楽という役割が与えられる。歌を歌うもの、ピアノを弾くもの、ハープを奏でるもの…そこで彼女が出会ったのはいつまでも自分の音楽に出会えず泣いていた一匹のウサギ。彼に失った存在を重ねた彼女は、彼を手伝うことに。その中で彼女は少しづつ光を取り戻していく。そして同時に失ったものへと向き合い始める。
存在するものの意味。存在しないものの意味。
彼女は失ったことで見つけた新たな光を得始める。
そしてついに彼女は…
すべてを失った彼女が最後に得るのは一体何なのか。
すべてを失い、当たり前のような光を求めて旅は始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-15 20:43:50
253文字
会話率:0%
世界各地で戦争が勃発してから数年後――。戦場であった場所には、志半ばで倒れた者たちの魂が、大地に縛り付けられていた。そんな彼らを救うべく、特別な楽器『クライム』に魅入られた者たちがいた。それが、『戦場の演奏者(ウォークライム)』は存在してい
た。今日もまた、ハープ奏者の少女が戦場で音色を奏でる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-08-24 23:26:14
15966文字
会話率:38%
遥か昔、風詠と呼ばれた人々がいた。彼らは風の言葉を聞き世界を、そして万物を知るという伝説のジョブ。
風都シルウィード、そこは彼らの住んでいた浮遊都市。そんなシルウィードの外れに1人の女性が住んでいた。彼女は風詠。失われたはずの伝説のジョブ。
ある日彼女は、1人の吟遊詩人の男と出会う。彼は世界を旅するバードマスター。美しい歌声と卓越した演奏技術で人々を虜にする人気者。そんな彼からの突然の提案に彼女は戸惑う。『歌を作ってみない?』
果たして彼女はどのような詩を書くのだろうか――。
◇オムニバス短編集ジョブ・ストーリーの2作目です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-02-21 19:00:00
18664文字
会話率:52%