古城の「氷の悪徳令嬢」と呼ばれたアドリアーナ・フォン・ヴェルデン。
十五歳の春、政略結婚の陰謀によって家門の汚名を着せられ、すべてを失った彼女は、深紅の薔薇を棘ごと引き抜き、復讐の炎に身を焦がす。策略と幻覚薬で貴族たちを追い詰める日々を送る
中、胸の奥底には幼馴染ルーカスへの想いと、失われたかつての無垢な笑顔への後悔が凍りついていた。
ある晩、凍てつく薔薇園にひとつだけ残った蕾が囁く。「真実は、氷を溶かす」――その声を頼りに、アドリアーナはルーカスとの再会を決意する。凍りついた心に触れたのは、長年抱えた痛みと償いの涙。やがて運命は二人を邂逅させるが、幸福は束の間──崩れ落ちる蔦の支柱が二人を引き裂く。
戦慄と深い悲哀の中、凍える薔薇の庭園には、最後の一輪の薔薇と「永遠の微笑み」だけが静かに咲き続ける。
これは、悪徳令嬢となり果てた少女が、復讐と赦しの狭間で最後に見つけた真実の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-27 00:37:35
1364文字
会話率:14%
私の婚約者だった人が死んだ。
愛していたのに、私が罵り傷つけ続けたせいで、海に身を投げた彼。私はそれを見ていることしかできなかった。
いくら泣いても後悔しても彼は戻って来ない――。
これは愛していた者を死に追いやってしまった公爵令嬢の後悔
と弔い、そして新たな恋の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-22 17:31:07
12260文字
会話率:21%
三作目になります。寓話に近いです。
ツァオル(小さいという意味だそうです)君は、貧しく苦労の絶えない子供時代を過ごします。そこには、彼には見えないけれど守護天使がいつも寄り添っています。あまりにも過酷な境遇の中、ツァオル君は盗みをするよ
うになります。その時もできる限り、天使は彼を守り、悪の道から善の道へ導くよう身をボロボロにしながら努力します。ついにツァオル君は、大きな過ちを犯し、それを後悔し、償いをしたいと思うようになります。そして努力の末に償いを果たし、天使がそれに喜びの意味で涙を流すという話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-13 13:48:40
5129文字
会話率:27%