小学校1年生の影山 夕(かげやま ゆう)は、雨に濡れた放課後の西階段で偶然、逆回転する古い映写機を見つける。母親から聞いた「フィルムを巻き戻すと、まだ撮られていない未来の景色が映る」という言い伝えに駆られ、自らハンドルを回すと――教室の風景
が逆再生で蘇り、黒板には「おくり火ざ」という不思議な星図が浮かび上がった。
翌日は、担任の古関先生による「星図の授業」で、クラスごとに“未来の教室”を撮影・編集することに。夕は友人の正夫(まさお)らとともに、逆巻きするプラネタリウム模型や図工室の絵の具を駆使し、自分たちの名前を灯りにした星図を完成させる。だが中心にはまだ、小さな空白があった。
学期末の「送り火フェスティバル」──体育館に集った全校児童の前で、昭和の開校式映像や班作品が上映される中、最後に流された合同映像で灯籠の光が空白を埋め、「夕」という一文字の星が燦然と輝く。映写機の逆回転と祭の灯が交差し、夕は母とともに川辺へ並んで灯籠を流す。闇に溶けた光は新しい星座となり、まだ見ぬ未来へと続く「送り火座」が完成したのだった。
登場人物紹介
・影山 夕(かげやま ゆう)
・年齢・学年:6歳・小学1年生
・性格・特長:好奇心旺盛で内向的な面も。小柄ながら芯が強く、時間や記憶の謎に心惹かれる。透き通るような紫の瞳と丸いほっぺたが愛らしい。
・大切なもの:母譲りの星座ペンダント/逆回転映写機を操作する小さな手
・影山(母)
・年齢・職業:30代後半、かつては図書ボランティアを務めたこともある
・性格・特長:娘を深く想う優しい母親。古い言い伝えや祭りの風習を語り継ぐ。レトロな映写機と灯籠流しの儀式を心に残す。
・大切なもの:紙製ランタン/檜油の香り
・古関先生(こせき)
・年齢・役職:50代前半、小学校教諭
・性格・特長:校史と映像資料を愛する温厚な指導者。児童の創造力を引き出す特別授業「星図の授業」を企画。
・大切なもの:木箱入りのフィルムリール/開校式の記録映像
・正夫(まさお)
・年齢・学年:同じく小学1年生
・性格・特長:クラスのムードメーカー。女子にも男子にも友だちが多く、思いつきのアイディアを素直に提案する行動派。
・大切なもの:タブレット(撮影用)/金魚袋風の灯籠折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-15 05:55:59
2715文字
会話率:24%
『レクライエーンの申し子』(N5519FA)のスピンオフ作品。
戦死した友を弔う為、マイノール・タイスンはある早朝、王都の外れの丘へ向かう。
火を焚いて遺品を燃やす、この国の弔いの行事『影送り』をするのだ。
『影送り』をしながら、マイノ
ールは亡き友を偲ぶ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-08 12:05:49
4133文字
会話率:13%
あらすじ
体調が崩れたのを期に田舎の病院に移った至。若干18歳にして余命は20歳までと宣告された。そんな時、病室に座敷わらしの市香が現れた。
「私パン党なんで、いい加減御飯御供えするの止めてくれませんか?」
ひょんな事から至は
座敷わらしの全国大会『座敷オブわらし』に進出する事に。
競う競技は『昔遊び』あらゆる珍しい遊びに戸惑う大会出場者達。
「へぇー。あ、教科書に載ってた影送りとか楽しいよね。・・・え? 影送りは個人でしか楽しめないので競技になりません? 楽しいのに?」
目指すは全国大会優勝! 優勝者は何でも一つだけ願いが叶うと言う話を聞き、至は病気を治す事を決意する。
「私、今回の大会で優勝しないと・・・いえ、やっぱり何でもありません」
ちょっと訳有りな感じがする市香。
「至君! それは腕輪じゃなくてお爺ちゃんの入れ歯だから!!」
さらに幼なじみも加わって加熱し盛り上る大会。順調に勝ち進みそして決勝戦!
最終種目は『達磨さんの一日』
はたして市香の御供えモノはパンになるのか?!
そして至は体を治す事が出来るのか!?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-06 10:08:08
7330文字
会話率:21%
東黒谷村という山間の限界集落。
そこで親しかった人の幻が現れるという怪異が発生する。
その原因解明を依頼されたのは三十路間近の自称探偵にして魔法使いの御巫だった。
※部活に出した作品を加筆修正した作品です
最終更新:2015-03-30 19:00:00
10176文字
会話率:51%