彼は長政に連れられて小丸に入る。小丸は本丸以上に信長軍に攻められ、可成り苦しい状態にある。長政は父の久政に会うと開口一番、
「父上信長の使者が再三に亘って、市と娘を信長に引き渡す様に行ってくる。これをお認め下され。この通りで御座る」長政は床
に頭を下げ懇願する。
「成らん。おなごは一旦嫁いなば、嫁ぎ先の人間に成るは必定」久政は首を横に振るだけである。
「仰せの通りで御座る。只し本来、市と娘は戦とは関係御座りませぬ」長政は必死に父親に懇願する。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-20 13:44:12
7747文字
会話率:35%
ねねがカバンに入れておいたポケットティッシュは、すぐに底をついた。
「藁(わら)……、今日から、わらなのね……泣」
戦国時代の生活は、つらかった。
思いがけない出来事が、ふたりに容赦なく襲いかかる。
地元の長浜が大好きな、遠藤ねね。
次
第に、長浜の町の魅力に惹かれてゆく小谷長政。
二人の出会いは、戦国の世へと旅立つきっかけとなった。
ふたりがたどり着いた先は、『金ヶ崎の戦い』の後の江北(長浜)であった。
『長浜ものがたり』の続編となります。 戦国編です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-10-02 17:12:49
33020文字
会話率:27%
浅井長政のもとへ届けられた織田信長家臣、羽柴秀吉からの書状。小谷城落城を前に届けられた書状には、降伏する代わりに妻と子どもたちの命を助ける旨が綴られていた。長政の正室は信長の妹市。……武士の一分か、愛する家族か。彼がとった選択は……。
最終更新:2012-02-05 11:21:32
3407文字
会話率:39%