「お姉様、死んでちょうだい」
その日、ミナ・メイフォードは毒殺された。
実の妹マナとミナ自身の婚約者によって、毒をのまされたのだ。
ミナ・メイフォード公爵令嬢は、妹がいる。妹の名はマナ。昨年、両親が事故で死に、ミナはマナと家を護るため
に躍起になっている。
ミナはマナを溺愛しているが、両親が死んでからはそれにいっそう拍車がかかり、マナを第一皇子の妃候候補として育てあげる決心のもと、日々口うるさくしている。
自分は親の決めたテリー・ライアット侯爵子息との婚約がある。自分はどうでもいい。とにかく、親にかわってマナを幸せにする。
ミナの信念は強い。
しかし、その信念が仇となった。
マナはテリーとできていた。
マナは、美しい。が、内面は醜い。姉に甘やかされ、両親にもちやほやされ、わがままで自分勝手な性格である。外面がよく、とくに男性には媚びを売る。が、身分の低い者や使用人、自分にとって価値のない者にたいしては容赦がない。
そして、姉のものを奪い去るのを密かな楽しみにしている。
ミナの婚約者テリーもその一つである。
はやい話が、マナは悪役令嬢なのである。
究極の悪役令嬢であるマナは口うるさいミナが邪魔になり、テリーをそそのかしてミナを毒殺してしまう
ミナは、毒で苦しみながら死んでしまった。のはずなのに、目を覚ましたら……。
なぜかときをさかのぼっていた。しかも、妹のマナになって……。
ミナであったマナは決心する。自分自身を殺さない。婚約者を寝取らない。
それだったらいっそどこかにいってしまおう。
メイフォード家所有の辺境の別荘に移り住むことを決意する。
そこでミナは、王都嫌いの侯爵セレスとその馬丁ナダムに出会う。
その二人との触れ合いの中で、ミナはかわってゆく。
そしてついに、大事件が起こってしまう……。
※全四十五話
サクッとお読みいただけるよう一話の文字数はほとんどが千文字以下です。
ざまぁ要素は最後の方です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-03 22:22:38
42234文字
会話率:29%