異母姉たちに嘲られ、冷えた石畳に放り出された令嬢ユリフィア。
行き先は、戦場で名を上げた“氷の領主”ゼルヴィスの館。
そこにあったのは、冷たく静かな空気と、誰にも望まれぬ“名ばかりの婚姻”だった。
だが、冷え切った館に少しずつ火を灯したのは
、彼女の小さな日々の働きと、誠実な心。
捨てられた令嬢と不器用な英雄――氷を割って咲く春は、確かにここに芽吹きはじめていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-08 18:10:00
11282文字
会話率:44%
両親が騙されて作った多額の借金を返すため、奴隷商人のお得意様だという黒い噂のある伯爵家に嫁いだリッチェル。
しかし夫となった伯爵は、結婚式の後から姿を見せない。
代わりに使用人の長を名乗る、長い前髪で目を隠した青年が優しく応対して
くれた。
初夜もなく、伯爵が会いに来ることもなく、何か仕事を与えられるわけでもない。
(――わたしは、何のために買われたの?)
戸惑いながら庭を散策していると、中には入らないでほしいと言われていた離れが目についた。
入らなければいいかと窓から様子をうかがうと、獣のような耳を頭に乗せた、ふたりの亜人の子どもが目に入った。
――これは、ピュアっピュアなふたりの、可愛くて時々切ない、婚姻から始まる恋物語。
※遥彼方様主催の「共通恋愛プロット企画」参加作品です。遥彼方様提供の共通プロットを少しアレンジして執筆しています。
※投稿先:小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、貸し本棚折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-28 07:29:05
47993文字
会話率:33%