王城の夜会。婚約者のルーカスから、突然突き付けられた婚約破棄。
「アリアナ侯爵令嬢。君との婚約を破棄する。金輪際、僕とシャロンに関らないでくれ」
その彼に、腕を回しているのは、幼馴染で親友の男爵令嬢のシャロン。
「お前の傍若無人な態度
に、うんざりだ。また、シャロンを虐めていたのだろう」
アリアナを責める婚約者。
「虐めて……、なんていないわ」
「嘘を吐くな。シャロンのことを、また、平気で突き飛ばしていただろう。僕が何度注意しても止めないその行動。お前への気持ちは、もう何年も昔に冷めていた。いい加減気付いたらどうだ」
「だから、それは2人を守るためなの、何度言ったら分かってくれるのよ」
アリアナは、何故か危機が起きる前に、その映像が頭の中に流れてくる。これまでも、危機を察知して、彼ら2人を助けてきたのだ。それを何度説明しても分かっては貰えない。
「お前の戯言にはついていけない。2度と、その適当な言動を僕たちに聞かせるな」
「うふふっ。ルーカスは明日、あたしと海に行くのよ。ね~、ルーカス」
この会話をしているときにも、危機を知らせる映像が、アリアナの頭の中に流れる。
……ルーカス様が、階段から落ちる。それを防ごうと、彼を庇ったアリアナは、階段の下へ真っ逆さまに落ちる。
そこで思い出したのが、前世の記憶。会社の経理主任をしていた、伊東湊30歳。
前世は「甘いマスクの覇者」という乙女ゲームにのめり込んでいた。そして今、アリアナとして生きる世界こそが、そのゲームの世界。
アリアナは、ゲームの中の悪役令嬢。男爵令嬢のシャロンがこのゲームのヒロインだったのだ。
危機を知らせる映像は、ゲームのイベント。
本来であれば、シャロンが好感度を上げるために用意されていたものを、知らず知らずのうちに、アリアナが回避していたのだ。
王城の階段の落下も、本来はゲームのイベントの一つ。
悪役令嬢役のアリアナが、隠れキャラルートが開いたのだ。
ブライアン・クロフォード公爵が熱烈に求婚を求めると同時に、元婚約者が復縁を迫ってくる。
ブライアントデートをした祭り。その10日後、「甘いマスクの覇者」では、国を揺るがす天災が襲うシナリオだ。
予見によって、何とか災難を逃れたが、元婚約者とシャロンの領地はそうもいかなかった……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-14 18:06:47
31951文字
会話率:29%
死しいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。
最終更新:2022-04-03 08:32:31
421文字
会話率:0%
およそ900年前、地獄の門が開けられ現世にやって来た牛鬼は、奴隷である少女と出会う。
二人はすぐに結ばれて契りを交わし、およそ400年前に起きた事件を収束させたご褒美として、二人は現世の時間で400年間無間地獄で愛を育んだ。
そして再び
現世にやって来た二人は、世に蔓延る極悪人共を全て地獄に送るべく、再び肉切り包丁片手に悪と戦う事に。
殺生をするな、物を盗むな、エッチなことはするな、酒を飲むな、嘘を吐くな、変な宗教は信じるな、ノーロリコンノータッチ、家族と偉い人は大切に!
地獄の執行人であり『代行者』である半人半魔の少女のザックリとした世直し奉行のはじまり、はじまり。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-25 09:00:00
2062文字
会話率:55%