——春、夜桜の下で、誰かが「また来てね」と言った。
忘れられた約束。忘れられなかった誰か。
それは、やさしさと寂しさが宿る一本の桜の妖(あやかし)との再会だった。
吉野山に咲き誇る千本桜。
その裏手で、誰ともなく昏睡に陥る怪異が続いて
いた。
調査に訪れたのは、冥府庁・調査課の黒野アイリと、その相棒・神崎イサナ。
だが神崎には、かつてこの地で“誰か”と出会った記憶があった——
ほんの小さな約束、胸の奥に残った声。
そして今、あの桜の下で、すべてが静かに呼び起こされていく。
これは、過去と向き合うために“さよなら”を言いに行く物語。
*
冥府庁シリーズの短編です。
凸凹バディの調査官コンビ——冷静沈着な女性調査官・黒野アイリと、陽気で直感型な新人・神崎イサナのやりとりも注目ポイント。
幻想×感情×和風ミステリ・ライトノベル。
・シリーズ初読の方も単体で読めます
・「静けさの中にあるドラマ」「しっとりした空気感」が好きな方におすすめです折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 21:20:00
11438文字
会話率:27%
古戦場や城郭を巡ったり、寺社仏閣や武将の墓を訪れたりと、歴女全開の坂本亮子は公募の末に歴史ミステリーの小説家としてデビューを果たす。しかし、喜んでいたのもつかの間、亮子は出版社編集の中岡慎一に容姿が坂本龍馬にそっくりだと指摘され、無理やり
ペンネームを坂本龍馬子と名付けられてしまう事になってしまった。そんな坂本亮子改め坂本龍馬子は、破天荒な編集中岡と、小説の題材を探すべく、日本各地にある不思議な施設や怪しげなネタを求めて取材の旅へと赴いて行くのである……。
一応、本格どたばたミステリーです(汗)プロローグだけでも読んで頂けると嬉しいです。
(2017年6月26日 Kan様からレビューを頂きました。本当にありがとう御座いました)
(2017年7月26日 成宮りん様からレビューを頂きました。本当にありがとう御座いました)
(2018 6月 誠に勝手ながら、三章部分の大仏殿のエピソードを一番最初の部分へ持ってきてしまいました。解り辛くなってしまい申し訳御座いません)
(2018年12月 羽野ゆず様からレビューを頂きました。本当にありがとう御座いました)
(2019年2月 一迅社様のメゾン文庫大賞に応募させて頂き、結果的には駄目でしたが、最終審査まで行き着く事が出来ました。ポイントではなく作品そのものを読んで評価して頂けたようでとても嬉しかったです。一迅社様ありがとう御座いました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-11 13:14:28
1300269文字
会話率:53%
妖狐の一種で、香りを糧とする香狐(こうこ)のマホロは、毎年平安京の西に位置するアヤカシ山を訪れることを楽しみにしていた。
そこは、百年前、安倍晴明により京から追い出されたアヤカシが唯一生存を許された山で、人間が立ち入ることは禁忌とされていた
。
しかし、マホロが山に行ってみると人の術で捕らえられた白蛇のアヤカシを発見する。
逃がしてやると、その直後、マホロは何者かのより攻撃を受け、命からがら逃げ出す。
辿り着いたのは魅力的な香りが漂う屋敷の一角で、そこに巫女装束に身を包んだ娘、馨花(けいか)がいた。
香りにまじないを掛けた呪香を作れる呪香師である彼女は、何やら訳ありのようで――?
架空の平安京を舞台にした、もふもふの香狐マホロと訳あり呪香師馨花の和風ミステリファンタジー。
★全8章。毎週土日15時に更新を行い、7月末完結予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-28 15:00:00
41294文字
会話率:43%
お爺ちゃんが亡くなった。葬儀に出席するべく、久しぶりに訪れた、家。
かつてそこで、とても怖い事が起こった筈。でも、誰もその事を覚えていない。
知っているのは、私以外には、亡くなったお爺ちゃんだけ? 亡くなる前にお爺ちゃんが残した謎の言葉の意
味は?
「第2回犯罪が出てこないミステリー大賞」参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-04-22 23:23:22
11100文字
会話率:28%