貴族と王権による少数が多数を圧倒していた時代は終わりを告げた。
そんな時代の波はこの世界に唯一ある大陸の国にも波及している。
それは西より始まり、東の端のハルーシュ王国にまで到達した。外縁部を走る山脈に守られるような形になる辺境の国。
こ
れはそんな辺境の国の更に辺境にある地、マニュート伯爵領。
西の大国ワーレック帝国との戦争で多大な功績を上げた英雄の子孫が統治するその地に英雄の子孫として産まれ、次期当主になる事が決定している少女イリアージュ・マニュート。
先見の明があり、一挙一足に意味がある。やる事は滅茶苦茶に見えてそれは周囲を助ける為にやっていた。
そんな噂が流れ、感謝されようとも彼女は普段の澄まし顔でやんわりと受け止め奢る事はない。
それがさらに彼女の名声を上げるのだが、何故か思い通りにならないイリアージュは今日も足掻く。
彼女が望むのは善行をやった事に感謝される事では無く、悪行を懼れられ憎まれる事だというのに。
そんな、どこか可笑しいイリアが迎えた王都貴族学園への入学、それがさらに大きな渦となって王国を揺らす――勿論、イリアの望む方向では無く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-05 22:00:00
22995文字
会話率:27%
三年前の事だった。
大型地震が起こった、それに伴って津波も起こった。らしい。
僕はその時はいなかったから知らないけど。
ちょっと前の話。
あれは多分神様の大掃除なんだと思う。
きっと、悪い人たちを掃除するために自信を起こして水で流しちゃっ
たんだ。
でも、それじゃあ、パパとママは何をしたの?
三年も前の事だった。
あれはすごかった。
いろんなものが流されていくんだ。
学校も、家も、車も、皆。
でも、俺は死ななかった。死ねなかった。
三年前の事でした。
暑い夏の日でした。
いきなり体が揺す振られる様な大きな揺れで目を覚ましました。
それはそれは大きな地震で、気が付けば辺りは水で流されていました。
昔の事だ。
でかい地震だった。
凄い津波が来た。
あの子は死んだ。
つい最近の事だ。
ワタシの親は死んだ。
みんな、トイレットペーパーみたいに流されて。
一緒に流されて。
三年前の事だ。
大切な物は何もかもなくなった。
オレも長くはないかもしれない。
凄い爆発だった。
来年の事だ。
暑い夏の事だ。
きっと、あの日見た事実は、
誰かの空想になるでしょう。
そして、その空想は、
いつかまた、
事実になる。
そして、また同じ空想を彷徨って、
何もできないまま、
死ぬことすら許されず、
翻すでしょう。
その身をもって、
もう一度、
何度でも、
僕たちは、繰り返す。
同じ、
『反逆記』を。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-16 07:18:15
3483文字
会話率:16%
3つの国で構成される大陸、ヒューマニア。
長い歴史の中で、いくつもの争いにより血を流してきた。
その獲物は、時代と共に変化していく。現在、戦場を飛び交うのは魔法と呼ばれる人類が生み出したとされる物。
それを操り、戦場を駆けるのが"
騎士"。
"アパラタス"と呼ばれる道具を使い、様々な現象を現世に及ぼし戦う騎士。
そんな騎士を養成する学校がツウィンド王国にはある。
とある事情で、人里離れた山小屋で師匠と2人暮らしをしていた大和(ヤマト)という青年。
腰に下げた、師匠からの贈り物を引っ提げて、騎士学校に入学を果たす。
剣に魔法と様々な能力者が切磋琢磨する学園で、大和はその刀に何を写すのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-25 20:16:33
46315文字
会話率:39%
この世界は人間によって支配されている。
転生者で、兎人族の少年ラピスは、ある日、存在を消される。そして、目が覚めると、ドッペルゲンガーとして、誰からも認知されなくなっていた。
怒り、嘆き、苦しみながらも、ラピスは自分の存在を取り戻すため歩き
続ける。
「蹴り落されたなら、蹴り返す。絶対に!」
これは、誰にも語られる事のない、とある獣人の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-20 13:19:01
5614文字
会話率:56%