性的倒錯、異常性癖、サイコパス、そんな風に表現される人間たちにも、れっきとした個性がある。
身体的な異常を持つものも同じように、患者というひとくくりにされて良いものではない。
精神的、肉体的にいかなる異常性があろうとも、本来はそれを個性とし
て認め、尊ぶべきである。
では何故それが容認されないか。
また、そうして全人類分け隔てなく関わることの出来る世界を、良しとせず忌み嫌うような人間がいるか。
それは、自分たちと違う面を持つ人間を理解できない者がいるからである。自分の知っている世界の範疇を超えた者を「異常」とみなして排除しようとする。
そんな周囲の風当たりにも負けず、自分自身を貫く人間はかくも美しい。
たとえそれが禁忌であろうとも。
むしろ、異常が故に異常なほどに異常な自分に真っ直ぐに生きる者は、背徳感を孕んでより一層燦然と輝くのだ。
そんな美しい人生を送ろうとする、一人の女性の話。
そんな美しい人間に恋をした、一人の男性の話。
二人は、異常な芸術家であった。
とある特別支援学級にて行われた絵画教室から、物語は始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-08 03:24:09
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会話率:31%