ノージック王国第三騎士団の非正規騎士レオナルド・バッカスは、四十歳の定年を前に、貴族である上司から、田舎の村の代官になってみないかと持ちかけられる。
税収はそれほどではないが、自然に恵まれ、領民たちは善良で、何より、おいしい田舎料理とどぶろ
くがある。平民出のレオナルドにとっては、貴族向けのおしゃれな料理より、田舎の素朴な料理のほうがごちそうだ。
願ってもない話に、レオナルドはその村の代官となることを了承した。
現地に赴任し、長年の騎士団務めの疲れを癒やそうと思うレオナルド。
だが、ある雨の日に、突然珍客が現れた。
公爵令嬢だという彼女は、レオナルドに出し抜けに言った。
「わたしをもらってください」と。
なだめようとするレオナルドだったが、彼女は引き下がらず、そのまま村に居着いてしまって――?
※アルファポリスにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-28 17:40:07
267134文字
会話率:46%
哲学は対話から始まったらしい。まあ、これは彼女のうけうりなんだけど。
プラトンの対話篇に敬意を表しながら、僕と彼女は疑問に思ったよしなしことを考えてみる。
この部室にいるのは僕と彼女だけ。
部室である必要すらない。夕日に染まる屋上だって、
ガタンゴトンと揺れる電車の中だって、僕と彼女は思考をめぐらせた。
放課後の屋上。
燃えるような夕日。
――――「地球上からいっさいの生物が死滅したとする」
この言葉から、全てが始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-12-11 12:31:24
3907文字
会話率:45%