リナは実家で家を不幸に貶めた元凶とした厄介者扱いされ、母親の手によって侯爵家に売られた。彼女はそんな自分を妻として受け入れてくれた旦那様を支えることを誓い、彼に「美しい」と褒められる日々に幸せを感じていた。しかし、それは所詮、仮初めの幻想で
しかなかったことに彼女は気がついてしまう。
それは国随一誇り高き身分の王太子殿下が侯爵邸にご滞在されることが決まったときだった。夫の企みに気がついたものの、リナはそれを拒絶することもできず夫の思惑通りに事を運んでしまう。
その末で、彼女は思い知る。自分は決して、幸せにはなれないのだと。
家族にも夫にも、決して愛されることはないのだと。
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バットエンドです。
色々ぼかしたので分かりづらいところもあるかもしれませんが、書いてるのが辛くなったのでお許しください。
いや、読む方によっては読了後に主人公の幸せな未来を夢見てもらって構いません。独自解釈結構!
(人任せですみません。バットエンド書くの色々な意味で怖いから)
R15で合ってるのかはわかりません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-29 18:00:00
6642文字
会話率:23%
奇人の魔法使いイハリス。その師匠の没後、兄弟子オルフィックは妹弟子グラモラにかけられた呪いを解いていくなかで、家族としての思い出とともに、自分の抱えるグラモラへの想いをなぞっていくことになる。
恋愛メインです。
ちょっとダーク……?
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*
私にかかった呪いをほどくとき、彼の瞳に星が散る。ほっそりした白い頬にスーッと流れ星が落ちてゆく。
彼は恐れず私に触れる。大きな手で私の手を受け止め、集中していると頭の中に文章が浮かんでくるらしい。私の体にタトゥーのように刻まれた細かい文字たち。からまった文字を彼は優しく読み解いていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-11 07:20:43
29131文字
会話率:48%