幽霊、謎、恐怖、夢をテーマにしたオブセッションと反復が多い散文。長編。
最終更新:2024-12-17 05:50:56
8353文字
会話率:16%
私は、黒い魔物に取り憑かれている。ずっと、そう思い込んでいた。
東雲凪をいじめる者は、黒い悪魔に襲われる。そんな噂が囁かれる程度には、『怪異』はよくある事だった。私に手を出すと黒い霧の獣が地面から現れて、相手を襲う。過去には一人だけだ
が死人も出ている。その子は見るも無惨に噛み殺されたのに、何故か事件は警察によって揉み消された。
「それは魍魎降しだよ。君が使役しているそれは、妖怪だ」
そう教えてくれたのは、通りすがりに助けてくれた、白銀幸志と名乗る男の人だった。自分は、霊媒師みたいなものだと言う。茶髪だし、サングラスしてるし、色々胡散臭いけど、よく笑う不思議な人。
私は、どうすればいい?
「同じ魍魎使いに教わればいい。でも、ちょっと特殊な世界だから、今の暮らしは捨てなきゃならなくなるかもよ?」
「それは、別にいいよ」
私が笑うと、白銀さんは、少しだけ目を細めて私を見た。琥珀色の、綺麗な瞳だ。
「だって私、今の生活に、失って困る物なんて何一つないもの」
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-22 20:43:32
38806文字
会話率:66%
大学二年の冬、莉子は見知らぬ男が廃ビルの屋上から飛び降りるのを目撃する。そしてその数日後、気まぐれに中華街を散策していると、一人の怪しい占い師に声を掛けられる。
「あんた、もうすぐ死ぬよ!」
占い師は大きな声でそう言った。その日を境に莉
子は頻繁に頭痛に襲われるようになる。
その後莉子は屋上から落ちた男、白澤と再開するが、そこで彼は信じられないような事実を口にする。
何の根拠もない「死」の宣告。出鱈目だとは分かっていても、気にせずにはいられない。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-14 20:03:18
25537文字
会話率:31%