長い長い動乱の日々は終わりを告げた。大陸の統一を宣言した彼らに、私は往年のルロル王とリオ将軍の面影を見た。あれから八十余年。実に長い旅だった。かつて彼らと語り合った平穏が遂に始まったのだ。かつての仲間達は彼岸から見ているだろうか。案外、将
軍は振り返ることなく、彼の地へと向かってしまったかもしれない。いや、きっとそうだろう。
この地を割拠した英雄たちはその多くが既に旅立ち、歴史上の偉人として語り継がれ始めている。いま大通りで駆け回っている子らにとっては過去のものなのだろう。壁一面を埋め尽くす日記を見て、ふと思い立ち私は筆を執った。100歳を過ぎてなお生きる歴史学者たる私の役目はこれなのかもしれない。彼らの輝きはたしかに過去の遺物なのかもしれない。しかし⋯⋯そうだ、彼らの歩んだ道は、夢は、私の人生そのものなのだ。この命果てるその時まで私は彼らの真実を書き続けよう。
さて、陳腐な始まりかもしれないが。
昔あるところに一人の王子がいた。
ソフィア・リマーシャ 皇室回顧録第一巻「相続」より抜粋折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-04 00:50:18
6815文字
会話率:71%
『100万円差し上げますので、1日だけ恋人になってください』ある日、ネット掲示板に恋人を募集する書き込みが投稿された。その恋人募集は年齢=彼女いない歴の坂上優希(28)が酔っぱらった勢いで書き込んだものだった。翌日、書き込んだことすら忘れて
いた坂上は届いたメールを削除していく中で一通のメールに目を奪われる。『私なら貴方の理想の彼女になれます』怪しいと悩んだ挙句、坂上はメールの送り主である詩織と名乗る人物に会ってみるが……。※こちらは公募用作品の執筆でメンタル崩壊した時に気分転換で書いている作品(現在進行形)になります。他の自作と比べると圧倒的に文章もノリも軽いです。細かい部分は気にせず、勢いで読み進んでもらえれば幸いです。見切り発車で不定期スローペース更新になりますが、エタることはありません。長編より短い話になるかも?※この作品は『カクヨム』の方にも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-09 22:45:02
110862文字
会話率:35%
「相葉純さん、貴方の寿命を譲ってもらえませんか?」 高校生活最後のクリスマス、生きづらい日々を送っていた〈相葉純〉は死神と名乗る女と取引をする。寿命と引き換えに時間を巻き戻せる時計を手に入れた相葉は、時計の力を使って理想の生活を実現させた。
余命三年間を何一つ不自由のないまま過ごそうとする相葉だったが、本来死ぬはずだった少女の自殺を邪魔したことで生活が一変。相葉は死にたがりな少女〈一之瀬月美〉が自殺を諦めるまで邪魔し続けることを決意する。しかし、自殺を諦めようとしない一之瀬相手に苦戦する日々を送っていた。※この作品は『カクヨム』にも掲載しています。また第25回電撃小説大賞三次通過作を改稿しまくったものです。※完結しました!感想欄でのネタバレをOKにしていますので、これから読まれる方はご注意下さいm(_ _)m ※沢山の感想、ブクマ、評価ありがとうございます!感想の方は少しずつですが、必ず返信させていただきます!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-19 00:34:11
136758文字
会話率:26%