1920年代から30年代初頭のアメリカでは禁酒法によって力を得たギャングたちが、都市の夜だけではなく昼間にまで勢力を伸ばしていた。
汚職と癒着によって警察機構も市民の頼りにならなくなったとき、人々は現実に叶えられなくなった正義をフィクション
の世界に求めた。
パルプ雑誌では、ザ・シャドウを始めとするブラックバッド、ファントム・デテクティブ、クリムゾンマスク、ザ・スパイダーなど、正体を隠しギャングに立ち向かう仮面のヒーローが活躍した。
ラジオドラマの主人公として人気を集めた。
1938年にスーパーマンがコミック誌に登場する前夜のことである。
その頃、日本では江戸川乱歩が「蜘蛛男」「一寸法師」「黒蜥蜴」などの通俗長編小説を書いて人気を博していた。
エロ・グロ・ナンセンスの時代、人々が猟奇をもてはやした時代である。
これは当時日本にパルプ雑誌があったなら書かれていたかもしれない物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-08-12 11:00:00
31719文字
会話率:36%
オレは死刑囚。酒場でしこたま飲んでいたオレは、ちょっとした間違いがあって、その場にいた連中を全員撃ち殺した。最後に、死体だらけの中、不思議そうな顔でオレを見上げる赤いワンピースの女の頭を撃ち抜いたところで、警官がなだれ込んで来た。もちろん、
オレは捕まった。今、法廷でオレというクズに死刑判決が下ろうとしている。ちょうどいい。さっさと殺っちまってくれよ。一度やってみたいと思っていたんだ。てめぇの頭をぶち抜くってことをよ。だが、そこへ思わぬ邪魔が入りやがった。そいつは昨日、オレが殺したはずのあの赤いワンピースの女だった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-14 20:41:49
1838文字
会話率:6%
ソイカーボーイのバー『DOLLHOUSE』で酒を飲んでいた私と蛍川は爆破事件に巻き込まれる.
病院のベッドで目覚めると、大使館員がやって来て、後藤一等書記官を含む十二名の死亡と蛍川が行方不明である事を告げる。
警察病院の死体安置所で確認
をした後、書記官に届いていた脅迫状の話をされ、犯人を突き止めるよう依頼される。
「バーンに会ってくる」と書記官は言い残していた。
翌日、プエラリアの採取を頼まれていた女社長の娘から電話がかかって来る。昔取材したカオイダン難民キャンプの雑誌を見せられ、「生き別れになった父親です」と調査を依頼される。
後藤書記官の運転手を捜しに国境の町アランヤプラテートに出向くと死体で発見される。
バンコク戻ってくると日本に帰国したはずの後藤夫人が見つかる。
そして蛍川も生きていた。
父親だと言われた三村を探っていくうちに、彼がブノンペン奥地で地雷の除去作業に関わっている事がわかる。そして十数年前、私が狙撃される事になったポルポト派取材の秘密を明かされる。
そんな時、身に覚えの無い蛍川の資料を渡せと監禁される。
何とか逃れると、娘のララが鞄を預かっていると言い出す。
蛍川はニューヨークでの巨額詐欺に関わっていた。
鞄を追っている連中と対峙する内に爆破事件はパッタニ王国再興という壮大な野望を抱いた三村が起こした事が分かってくる。それには後藤夫人が関わっていた。
昔の友人であるアップチャットに命を助けられ、その後隠された真実を知る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-07-01 19:14:52
20581文字
会話率:41%
人を助けたい。そう願い、看護婦として様々な人々を救っていた前世を唐突に思い出し――薄紫色の『兎の獣人』であるパルプルは笑った。人を救っていた?このあたしが?そんなの余裕がある人にしか出来ないことだよっ!奴隷として囚われの身の獣人は、絶望の淵
で叫ぶ。 誰も助けてはくれない・・・獣人や魔法が溢れる異世界で少女は決意した!!前世の知識を駆使し、他人の『心の声』が聞こえる耳と、『オーラ』がみえるこの目を使って、必ず幸せになってみせる!心優しい男性と出会い、綺麗なオーラをもつ彼をご主人様にすることが出来た少女。こんなかっこよくて優しい人に買って貰えるなんて、あたしの「能力」も捨てたもんじゃないわね!かなり無口だけどイケメンで優しいご主人様と、このままのんびり幸せな人生を―― なに?早くその男から離れろですって?なんでそんなこと・・・ごっ、ご主人様!!その死体の山はなんですか!? ――え?ころし・・・た?
★心が読める前世持ち獣人少女と、恐怖の殺人鬼ご主人様のちぐはぐな純愛になる予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-25 00:00:00
27672文字
会話率:19%
帰路を急ぐ美夜子の頭上を星が流れたとたん、彼女はあるものを持ったままわけの分からない状況に放り出された。
最終更新:2013-05-15 14:48:29
8907文字
会話率:19%
神の贈り物によって山羊からその似姿と相成った人類は、『白の者』と『黒の者』に分かれ、紙の文化と対立の歴史を深めていた。そんな白と黒の間に居る少数派=灰の者であるサイカ・ネルレラクに舞い込む黒の頭目からの依頼は、贈り物=『パルプグラマトン』を
捜せというものであった。世界終末の兆しが陽光に乗って注がれ、合わせる様に白の代理人も動き始める最中、サイカは守護悪魔モノ=クロームと共に、唯都グァラ=グァラ探求へ赴く――彷徨える彼の行く先に、求めるものはあるのだろうか。【空想科学祭2010参加作品】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-10-02 23:43:40
47781文字
会話率:43%