自殺未遂をした女子大学生、松田栞。彼女は覚醒した時、記憶の大半を失っていた。
自分の性別も、年齢も、今まで何をしていたのかも、友人、家族、もろもろのことが消えていた。自分がいじめられていたことすら、遥かかなたに置いてきてしまった。
自殺未遂
の原因を探っている内に、一人の男子大学生が、栞の家に来た。
そこで話された事実は、どこにでもある人間関係の煩わしさだった。
大学時代、仲良くなったと聞かされた青葉という女子大学生が、その黒幕だった。
彼女の独白は、記憶を失った栞には、鼻で笑えるくらいチープなものだった。話を聞いている間も、栞の心が安定していて、『ああ、そうなのか』で済ましてしまう。
彼女が本当に恐ろしかったのは、記憶を失ったことよりも、以前の記憶が戻ってきてしまうことだったのだから。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-11 00:42:49
9799文字
会話率:39%
心にトラウマを持っている男女の物語。登場人物は『僕』と『朝日』という名前の彼女だけ。
不意に僕の家を訪ねてきた朝日には、友達がいない。そして、僕も友人を作ることや他人との接触が極端に苦手である。
そんな、ちょっと精神的に弱めの二人のカップル
の、僕の家の中での一部始終を物語にした小説である。
口論になったり、二人の意見交換、考え方の違い。すれ違いながらも、ぎこちなくかみ合う二人の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-06 00:01:13
9319文字
会話率:36%
彼女が突然死んだ。
自宅からそう遠くない場所で、死んでいた。
死因は心不全。
ただ、そこにあったポラロイドカメラが、事件性を匂わせた。
身近で大切な人が死んだ主人公が最後に見た写真に書かれていた彼女の最後の言葉とは。
最終更新:2016-10-13 22:20:19
4692文字
会話率:13%