天上の神の裁き、≪怒りの日≫に抗い勝利した大戦争から10年、聖絶の兵器として投入された不死の天使たちは人間の奴隷に成り下がっていた。だが。人類絶滅の命令を脳の奥底に残したままの彼女たちは便利な道具であると同時に、また、危険極まりない潜在的
脅威でもあった。
天使の経済活用につきまとう潜在的脅威へ臨機応変に対応するための制度が敷かれた。
民間人による治安維持協力制度、これの通称を、天使処刑人と呼ぶ。
この物語は環太平洋帝国第三帝都、東京に暮らす一人の天使処刑人、天宮誠一郎の物語である。
※この作品は、週1回、木曜日の複数話一括更新を予定しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-04-08 06:04:36
55828文字
会話率:28%
2121年、人類の苦悩は頂点に達していた。
太陽系の星を何度破壊しても有り余るほどの飾りだけの爆発物、増え続ける人口、国際的テロ活動、国家間での極端な貧富の差…
それらの世界的情勢が、大規模な、おそらく人類史上類を見ない一大プロジェクトを
実現させた。
Magnetic
Extrasensory perseption
System
Incorruptible
A class
通称「MESIA(メシア)」と呼ばれるアメリカのウェップナー博士によるその発案は、地球上におけるすべての国家間を、ひとつのコンピュータで統括しようという大胆な発想から始まり、各国家の政治はもとより治安・軍事施設に至る殆どを統括するのが最終目的とされた。
開発責任者はウエップナー博士の息子にあたるウエップナーJr博士が担当し、コンピュータのMPU、いわゆる中央演算装置は、形式JX0001をベースとし、完全稼働させるまでJX6801までバージョンアップが行われた。実に発案より完成まで50年の歳月と12万人に及ぶ関係者が携わる極秘プロジェクトであった。
そのため当然全てが極秘の内に進められ、現在においても一切公表されていない。
2172年、ついに人類の夢と希望を叶えるべくして、超ニューロコンピューター「MESIA」が稼動を始めた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-11-05 22:06:34
1473文字
会話率:0%