二〇二二年、四月七日。
その日、神城千里は陽陰町の禁忌を破った。
森の中に入ってはいけない。それでも進んだ彼女は突然体調を崩し、原因不明の怪我を負う。命の危機に瀕した彼女が目撃したのは、町の癌である妖怪だった。
助けに入った式神セ
イリュウは、困惑する千里を想って彼女の出生秘話を語る。千里は、セイリュウと共に数百年生きた先代スザクの忘れ形見だった。
どうして生まれてきたのだろう。
陰陽師に仕える式神の半妖、千里は、生まれてきた意味をつける為に妖怪退治を決意する。人と妖を両親に持つ高校生の彼女は、両者の千年にも及ぶ戦争に終止符を打つことができるのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-27 23:00:00
410000文字
会話率:49%
二〇一六年、四月十九日。
その日、彼らは自らの宿命を呪った。
呪いながらも、世界を守る為、宿命の儘に命を落とす。数多の屍を貪った百鬼夜行を終焉へと導いたのは、齢十一歳の少年陰陽師だった。
六年後、高校生になった間宮結希は母親の事情
により政治家の家に居候することに。だが、その家は、半分妖怪の血を引く十三姉妹の決して汚してはならない楽園だった。
〝家族〟とは、なんだろう。
養子となった結希と、古くから一族に伝わる宿命を背負う彼女たち。予言された百鬼夜行に立ち向かう為に引き合わされた彼らは、今度こそ、大切な人の手を離さずにいられるのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-09 23:00:00
1510000文字
会話率:51%