地球人が火星への入植を開始して二百年。
火星を放置して百三年。
入植者の地球側の親戚の子孫であるアリス・ヨコミネは、ヒキニートの立場につけこまれ、たった一人での火星の調査を押しつけられる。
文明の退化した火星ではちょうどエラいヒトの葬式の真
っ最中で、アリスは天使と間違えられて歓迎される。
しかし、巨大化して人類に敵対するようになった家畜の襲撃を受け……
2021年、カクヨムにて初出。
2022年、小説家になろうに転載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-14 20:00:00
23390文字
会話率:22%
高校生にはカーストが存在する。中間に位置する私、大野美紀はカースト最上位に位置する学園の御曹司、千代田守のパシリになって、金を儲けていた。その内容は、遺体処理係。千代田と付き合ったカースト最下位の女子生徒たちが自殺し、その遺体を焼却炉まで持
っていき、灰になるのを見届ける……そんな感じだった。
そんな私もいつしか、千代田と付き合っているという噂が広まり、自殺という選択肢がちらついた。
「早く死んじゃいなさいよ。このクズ女が!」
周囲の女子生徒たちから囲まれても、千代田は助けを差しのべなかった。次は私の番だった。
このまま死んでいくのは面白くないから、今まで受けてきたイジメについて書き残そう……。
私は遺書を書いた。でも、私が死んだ後、一体誰が読んでくれるんだろう?そんなことを考えながら、最後の廊下を歩いているとき、ある男子生徒にばったり会った。彼の名前は大木隆司。学年一の秀才で、私と同じく孤独な人間だった……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-15 18:01:36
2815文字
会話率:54%
2016年の1月に母が天へと召されました。
進行性すい臓がんが死因だったのですが、告知を受けてから昇天の日まで約2か月しかなく、目まぐるしく状況が変化しました。
現代の医療の問題や、良質なホスピスでの母の経過、キリスト教によるスピリチュアル
ケア、最期の一言などが盛り込まれています。
補遺として、遺族としての私の心理や、現代の死が抱える問題なども盛り込んであります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-20 07:40:15
13620文字
会話率:1%
ある日突然、世界は動き出した。無名の天才技師レオン・リンドヴルムが開発した機械人形(ミレス)の台頭により、人類の生活は一変した。給仕、洗濯、家庭教師に御者。遺体処理や果ては殺人まで、今まで人間自らが行ってきた雑務は全て機械人形が担うようにな
っていった。人々の日常は幸福に満ちていた。
機械人形師を志して王都へやって来たばかりの少年、ユーリ。まだ右も左も分からぬ彼が、ふらりと迷い込んだ廃屋の一室で出会ったのは、薄桃色の髪と琥珀色の瞳を持つ可愛らしい、しかしどこか刺々しい雰囲気を纏う、製造者も製造年月日も、主さえも不明の野良機械人形「エトランジェ」であった。
歴史は駆け巡り、また君に出逢うだろう。生きている限り、走り続ける限り。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-14 00:00:00
3076文字
会話率:36%