楚には項羽が、漢には劉邦がいた。当時の中国の人口が半減したという楚漢戦争の時代。匈奴には、この男がいた。匈奴の長、頭曼の長男に生まれた青年は、とある事情から父に見捨てられ、絶望の只中にあった。打ちひしがれ、立ち止まった青年の背中を押したのは
、『駆けたい』という純粋な欲望であった。最初は、ささやかだった、その欲望は徐々に膨れ上がっていく……。草原最初の覇王になった男、冒頓単于の物語。
※『カクヨム』様、『マグネット!』様のほうにも掲載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-21 22:15:07
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会話率:18%