「アンタも転生者なんでしょ」
と、低い声でわたくしに囁いたのは、少し前から有名になっている編入生でした。
「あの、お昼がまだなのですが?」
「いいから! ちょっと顔貸しなさいよ」
平民として暮らしていたのに、いきなり希少属性と言われ
る光の治癒魔力に目覚め、魔力暴走を防ぐため&希少属性の研究をするためとして国立学園に試験も受けずに編入し、正規に試験を受けて入学した生徒達からやっかまれている……愛らしい容姿をした女子生徒です。
そして、やっかみが嫌がらせへと発展。それにもめげず、彼女は学園に通い続けています。その姿が健気だと、一部の男子生徒達からは大事に庇護されているようです。
『魔力暴走を防ぐために学園に通うよう、国が定めたことだ。その彼女へ嫌がらせをするということは、国の方針に逆らうということだぞ! 国家反逆の意志ありと疑われたいのか!』
なんて、彼女のナイト気取りの高位貴族子息が声高に触れ回ったお陰か、彼女への嫌がらせは下火になりつつあるようですが――――
ぶっちゃけ、彼女の方にも問題があると思うんですよねぇ?
という、自称ヒロインさんが、『ゲームのクリア条件』を満たさずに『逆ハーレム』を達成できた理由。
わたくしはそんなの、絶対に……それこそ、死んでも厭ですが。
設定はふわっと。
人によっては胸くそかもです。
アルファポリスに掲載。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-24 12:17:16
8408文字
会話率:33%
この世界には"穢れ"がある。
負の感情が澱みとなって溜まると、やがて"穢れ"となって立ち上ぼり生物を喰らう。
獣が"穢れ"に飲まれれば魔獣となり、人が飲まれれば"忌
人"となる。そしてどちらも人を襲うようになる。
"穢れ"はこの世界に生きる全てのものにとって、脅威だった。
"穢れ"に対抗出来るのはバイエベレンゼ王国の『聖女』達のみが使える『浄化』だけである。
バイエベレンゼ王国の王都は、聖女達の中でも一線を画す『神聖女』が守護の結界を張っている為に"穢れ"が溜まる事は無かった。
しかしある日、王都内に"穢れ"が現れる。そしてそれは異形の大量発生事件に繋がった。
その事件の首謀者と断罪された、侯爵令嬢であるグレイシアを救ったのは、隣国であるイルミナージュ王国で死神とも呼ばれている美貌の騎士団長だった。グレイシアは彼によって、『留学』という名目でイルミナージュ王国へと連れて行かれてしまう。
グレイシアの事を溺愛している家族が反目もしない騎士団長。
彼も家族も何かを隠している……?
聖女にはなれなくても強く在ろうとする侯爵令嬢と、氷の騎士団長が紡ぐ恋物語。
※カクヨムにも投稿しています。
※46話で第一部が終わりました。
※旧題『追憶の果てー聖女未満の侯爵令嬢』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-15 07:00:00
215140文字
会話率:45%