地震に巻き込まれ命を落としかけた少女・沙穂と、彼女を庇った少年・龍哉は、異世界へと召喚される。
世界を救う宿命を背負いながらも、ふたりが求めたのはただひとつ──「一緒にいたい」という願いだった。
だが些細なすれ違いが、沙穂の死を招く。
3
00年後、龍哉はふたりの元の時代で、彼女との再会を果たすが、沙穂の記憶は失われていた。
それでも、彼女は笑ってくれた。
彼のことを忘れていても、その笑顔に、手のぬくもりに、龍哉はまた恋をする。
本作は、そんなふたりが“今を生きる”現代を描く物語。
会話、感情、背景──すべては沙穂の目線と理解の及ぶ範囲でのみ綴られ、
登場人物は沙穂と龍哉だけ。
ご都合主義や派手な展開は排除し、視線・表情・ふれあいを軸にした、
静かで深い「ふたりだけの世界」を描きます。
本気で誰かを想ったことがある人に、
そっと寄り添う“静かな愛と赦し”の物語。
恋よりも深く、生よりも切なく、それでも「幸せ」と呼べる、
ふたりの奇跡を──ぜひ見届けてください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-01 20:28:04
51763文字
会話率:23%