産婦人科医、後藤茂一(54)はアニメや漫画でしか存在しない“気功”を生まれ持っていた。その気功をこっそり癒しのパワーにして使い苦痛少なく出産補助を行う名医である。こんな彼の趣味がネット小説で人気のジャンル『聖女追放』のラノベを読むこと。馬鹿
王子に追放された聖女が華麗にざまぁする展開が大好きなのだ。後に自分が当事者となるのも知らないで…。
※ 全5話ほどの予定でしたが、もうちょっとだけ続きます。アルファポリスでも同時連載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-19 11:10:01
45466文字
会話率:48%
「システィーナ、今この場をもっておまえとの婚約を破棄する!」
パーティー会場で高らかに上がった声は、数瞬前まで婚約者だった王太子のもの。
王太子は続けて言う。
システィーナの妹こそが本物の聖女であり、システィーナは聖女を騙った罪人で
あると。
突然婚約者と聖女の肩書きを失ったシスティーナは、国外追放を言い渡されて故郷をも失うこととなった。
馬車も従者もなく、ただ一人自分を信じてついてきてくれた護衛騎士のダーナンとともに馬に乗って城を出る。
目指すは西の隣国。
八日間の旅を経て、国境の門を出た。しかし国外に出てもなお、見届け人たちは後をついてくる。
魔獣の森を迂回しようと進路を変えた瞬間。ついに彼らは剣を手に、こちらへと向かってきた。
「まずいな、このままじゃ追いつかれる……!」
多勢に無勢。
窮地のシスティーナは叫ぶ。
「魔獣の森に入って! 私の考えが正しければ、たぶん大丈夫だから!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-13 22:34:03
13188文字
会話率:53%