昭和、平成、令和へと時代の過渡期に元帝国海軍士官で、航空自衛隊元空将補だった老人は日本人の国防意識の低さを嘆く。しかし、そのひ孫に『暢気に人が生きられる姿はこの国の勝利だ。暢気に暮らせ、護ってやるからとガードしてくれている人間の心意気はどう
した』と諭される。
老人、川村宗一郎は目の覚める思いで、長かった戦後が終わる気がした。
ひ孫の泰子は女だてらに自分と同じ戦闘機パイロットを目指したが夢に手が届きかけた直後に大病をして挫折をする。それでも立ち上がろうとするひ孫の姿は宗一郎に若き日にであった大切な女性を彷彿させた。
そして、泰子がその生まれ変わりではないかと思い至った宗一郎は初めて生かされた理由を知った気がして、泰子に大切な人たちと自分の失恋話を語り始める。
史実に名高い三四三飛行隊創設、紫電改開発と激動激務の中も太平洋戦争末期に純愛、死別、そして、初恋の女性が想いをつないだラブレターに隠されていた真実を彼自身も知ることになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-25 11:00:00
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会話率:36%