理真と由宇の前に姿を見せた一匹の猫。野良かと思われていたが、首輪をしていた痕跡があることから、かつては飼い猫だったのでは? と理真は推察する。一方、新潟県警生活安全課の刑事、降乃論子は、友人である県職員から聞いた、橋の架け替え工事に関する
悩み事を理真と由宇に打ち明けて……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-22 00:00:00
11769文字
会話率:59%
『県職員』。公務員のカテゴリーではあるが、国家公務員や市町村職員、警察官や自衛官、消防署員などとは微妙に異なる。そんな県職員の「本当の実態」について、これまでになく赤裸々にえぐった禁断の暴露本である。
最終更新:2021-12-21 17:03:21
90744文字
会話率:16%
大空(だいすけ)と名前をつけられた少年は、自分をイースター島のモアイ像に似ていると思った。そんな、少し周りとずれている大空は愛田県職員となって、無事に結婚もし、そして定年まで勤めあげた。そんな大空は定年後の今何を考えているのだろうか。
自分
の部屋に安楽椅子を置き、窓から外を眺めていた。
『大きな空とモアイと 孤独な公務員の奮闘記』のその後です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-08 20:00:00
17904文字
会話率:13%
一九五五年(昭和三十年)生まれの大空は、当時の名前としては珍しく、『だいすけ』と読んだ。幼いころから、名前に触れられることがいやで、隠れるように生きてきた。大人になって、イースター島のモアイ像を知り、周りの誰からの干渉も拒むように、立ち続け
ているモアイが、自分と似ていると思う。以来、幻となって、かたわらにモアイがいるようになる。
一九九八年(平成十年)、四十三歳となった、大空は愛田(あいた)県の県職員として、県南部の御背(おぜ)地区に赴任している。桜ケ丘(さくらがおか)の実家に、年老いた母親をひとりで残しているのが気がかりだ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-19 22:00:00
47800文字
会話率:19%
昭和9年、どん底の不景気の中で今上天皇の統裁する陸軍大演習が群馬県を中心とする北関東で実施された。満州事変や満州国の独立、日本の国際連盟脱退という時代背景の中で、天皇の行幸を奏迎する県民には、「現人神」に対する緊張感が、ヒステリックに高まっ
てゆく。絹に依存していた織都である桐生市は、ウオール街の世界恐慌以来すでに財政的に破綻していたにもかかわらず、奏迎費用捻出のために増税を重ね、市民生活のすべても犠牲にして、いよいよ天皇を迎える。天皇を乗せた車列を先導していた本多重平警部は、緊張と慣れぬ土地感から、行幸の順番を誤り、誤導してしまう。新聞やマスコミは必要以上に誤導事件を書き立て、天皇が前橋を出発した時刻に、本多警部は不敬の責任を感じて自決を図るが、命だけは助かるものの重い後遺症を負うことになった。
行幸の負担は、本多警部にとどまらず、県知事、県職員、市職員をも巻き込み、財政はますます逼迫し、人間関係にも多くの亀裂を残した。
そして昭和20年、群馬県の各地でアメリカ軍の空襲が惨禍を残し、行幸の記念碑のみが今も多く残されている。
重複投稿です。
この本文は小荷田歯科医院のホームページにあります。
http://www011.upp.so-net.ne.jp/konita/seiganoaki.pdf折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-09 15:16:54
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会話率:2%