大学を卒業後、木下和(きのしたなごみ)は本来希望していなかった東京での仕事を選んだ。それは……。
大学生だったころ、中学時代から好意を寄せていた沢波俊樹(さわなみとしき)がアトピー性皮膚炎にかかり、そのつらそうな姿に困惑し距離を取ってし
まう。一方、俊樹と同学部のクラスメイトで、和と大学で知り合った春田恵美(はるたえみ)は、そんな彼に献身的に寄り沿い続けた。病状が悪化し心身とも極限の状態になった時、俊樹は恵美の負担にならないように、わざと嫌われて離れていくように仕向けた。思惑通り恵美は離れていき、彼は全力で病魔に向き合い克服する。その間に和は、彼の恵美への強い想いと、その想いから起った悲しい企てに偶然にも気づいてしまう。彼を愛する資格がないと罪の意識に苛まれていた和が、いてもたってもいられず二人の間を取り持つことを決意する。
捨てきれない彼への想いと大きな罪の意識、そして自分自身への嫌悪感を抱きながら東京での生活を続け中で、同僚の立花美咲(たちばなみさき)の助けを得て、次第に自信を取り戻していく。
しかしその和に新たな試練が襲いかかる。ついに仕事以外の人とのかかわりを避け、閉じこもってしまうことに。自問自答しつつ友人と交流しサポートを得ることにより、和にも変化が起き、歩き出す。
和という女の子の心の葛藤と成長を描いています。
*本作品は、令和2年11月に出版された『桜舞う春に、きみと歩く』のスピンオフ小説です。
*同一のお話を、『サダ薬局のブログhttp://ameblo.jp/kanpou-sada』にも掲載しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-15 18:29:09
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