この作品は『星すくい』から始まる「星と海」シリーズのまとめ、加筆版です。
とある海辺の町に、
星に手を伸ばした少女がいた。
星を尊い思い出として胸にしまう男がいた。
星を好きな少女に恋した少年がいた。
星を嫌いになった少女がい
た。
星が好きではなくて、けれど嫌いになることもできない少女がいた。
いつだって、星は天に輝いていて。天空の星は、星を模した地上に光る星々は、そっと人々を照らしている。
そうして、星は人と人をつなげ、物語を紡いでいく。
これは、星がつなぎ、紡がれていく、死と孤独と愛と人の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-31 20:00:00
188331文字
会話率:20%
妻は、昔から体が弱い人だった。そんな彼女と、けれど少しずつ愛をはぐくみ、結婚して、彼女は妊娠した。
万が一のことを思うと手放しには喜べなくて、けれど僕との子の出生を心から待ち望む彼女との協議の末、僕たちは子どもを産む決断をした。
幸せな未来
が、待っているはずだった。
けれど僕の未来には何もなくて、絶望だけが訪れた。
故郷から逃げ、働きづめの日々を送った。
年に一度、彼女が消えたその日だけ、僕は故郷の海をさまよい歩いた。
夏の日差しが厳しい日も、嵐の日も、彼女が水平線の向こうからふらりと現れるなんて、そんなことを期待して。
彼女が消えてから三年目のその日。雨上がりの夜の砂浜に、僕は一人の幼子の姿を見つけた。星にむあって手を伸ばす、小さくも懸命に生きている、一人の少女の姿を。
これは、絶望に暮れる青年が、同じ孤独を抱えた少女と出会う物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-08 12:25:28
5419文字
会話率:21%
時は第二紀の曙光の時代。
最高神アンシャルの第六子である次元の神ディアスは、幼き頃のある事件により、故郷である祝福の地を離れ、自身が創造した空間にて好き勝手に暮らしていた。
比較的平和な時代に生まれたディアスだったが、最高神アンシャルの
宿敵、創造神カオスの残穢が蔓延る暗黒の地の不穏な動きにより、束の間の平和も終わりを告げようとしていた。暗黒の地の魔の手から祝福の地に住う神々を護る為、ディアスは祝福の地に佇む巨城ミッケダシュへと帰還する。
戦いに備える為と、ミッケダシュにおける自身の立場の再確立の為に、側近を選ぶよう命じられたディアスだが、すでに側近と契約を交わしていた事が判明する。しかもただの契約ではない。巡り逢える確率が極めて低いとされる腹心の側近との契りだ。
一体誰と?なぜ契りを交わしたことを覚えていない?
予言に導かれ、ディアスは双子の片割れであるミルハマットと共に、腹心の側近を探しに行く。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-02 00:22:40
64006文字
会話率:45%