ニ十歳の蜜井戸さぎりは、萩恒家の侍女(メイド)だ。幼い頃に両親を妖怪に殺されたさぎりは、十二歳の頃から萩恒家に侍女として勤めてきた。
ある日、狐火の異能を持つ萩恒家の一族が、同時に妖怪に襲われ、十八の嫡男・崇史と、三歳の姪・希海を残して
命を落としてしまう。
問題は、希海は稀有な異能の力を持っていたことだ。
彼女が、笑うと狐火が現れ、泣くとその火が熱をもつ。
よちよち歩く爆弾のような娘に、彼女の世話をする使用人達は次々に萩恒家を去り、最後に残ったのはさぎりだけだった。
体中に火傷痕を作りながら、希海を育ててきたさぎり。
しかし、さぎりがニ十歳、希海が七歳になったところで、当主・崇史の代理をしていた彼の叔父に、さぎりは萩恒家を身一つで追い出されてしまう。火傷痕が醜いさぎりを、崇史と希海の近くに置いておけないというのだ。
萩恒家にいた子狐一匹を連れ、ふらふらとその場を立ち去ったさぎり。
火傷痕のせいで再就職も上手くいかない中、途方にくれる彼女と子狐に、手を差し伸べた人が居て……?
※15話完結予定です。
※和風ファンタジー初挑戦です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-29 13:31:32
43375文字
会話率:41%