ぎぃぃ......
ひしゃげた扉を開けるとそこには荒くれ者が集う酒場が辺り一面に広がる。少女セリアは鼻腔に容赦なく入ってくる煙草の煙をもろともせずにいつものカウンターに座る。
「はぁぁ、狩りが終わった後の煙草はうめぇなぁ」
セリアは咥
えた煙草から出てくる紫煙を天井に立ち昇らせると、ある男が彼女の隣に座る。
「んぁあ、依頼ね」
混濁した瞳と生気のない声色をその男に向けるセリア。依頼内容は、どうやら知り合いのイカれ博士の元に国が主導の討伐部隊がやってくるらしいので助太刀して欲しいとの事。セリアはこの依頼を承諾した。しかしセリアは知らない、この依頼から、彼女の物語が大きく変わることを。
そして徐々に彼女は狂っていく。
変貌していく容姿と共に。
さぁ紡いでいこう、ある1人の、強かな少女の物語を。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-02 20:20:40
68216文字
会話率:42%
エレオノールは思い出した。ここは前世でやっていた乙ゲーの世界だ。
でも絶望は無い。だって私はテキストで数回ほど存在を仄めかされた程度のモブ令嬢。
攻略対象? どうぞ持ってって。
浮気? どうぞご自由に。
恋人? どうぞお好きに囲っ
て。
「エレン、観劇に行こう」
「エレン、オペラの予約が取れたよ」
「エレン、泊まっていってもいい?」
「エレン、君に似合うドレスを選ぼう。母上のお古も良いけれど、きちんと仕立てたい。これは僕らの結婚式なのだから」
……あれ?
ヒロインはどこ? 攻略対象はなんで恋人のところに行かないの?
※最初はヒーローがちょっとクズいです。恋人がいるのに主人公に婚約を申し込むところから物語は始まります。
主人公が淡々とし過ぎています。絆されない子です。
以上の設定が苦手な方はお気を付け下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-09 01:03:58
12292文字
会話率:40%