魔術文化の中心、ザリアード魔術帝国では、ほとんどすべての国民が魔術を使うことができたが、その中で貴族は魔術に加えスキルと呼ばれる特殊能力を持っていた。逆に言えば、スキルがなければ貴族の資格はない。
場所は帝都。毎年初、帝宮においてその年に満
15歳の成人を迎える貴族の子女たちが持つスキルを鑑定する『鑑定の儀』が開かれる。鑑定されたスキルは本人の15歳の誕生日に発現し有効となるため、その日をもって彼ら彼女らは晴れて成人貴族としての一歩を踏み出すことになる。今年も鑑定の儀が開かれ、主人公フィーネもスキル鑑定を受けた……。本作は、拙作『ASUCAの物語』から数千年後、とある作品の数千年前の世界が舞台になっています。カクヨムにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-01 17:10:05
17766文字
会話率:45%
13歳で崩王病(ほうおうびょう)という不治の病に罹った、パイロン伯爵家の長女、クラリア=ティエ=パイロン。
嫡子である弟が生まれてから、ぞんざいに扱われ、結婚要員として過ごす毎日であった彼女は、それでもいつか誰かに愛情をもらえると信じて日
々を過ごしていた。
しかし、崩王病に罹ってしまったことにより、美しかった身体は老木のように醜く痩せ細り、死を待つだけの運命になってしまう。そして伯爵家から用無しと判断された彼女は、王都の外の森に着の身着のままで放り出されてしまい――絶望と諦観を胸に抱きながらも、彼女はそれでも生きたいと願う。
そんな時――偶然、口元に落ちてきた一枚の葉を口にした瞬間、彼女の中に新しい選択肢が生まれることとなる。
森に廃棄された伯爵令嬢の新たな人生は、そんな深い地獄から産声を上げた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-02 23:16:05
50578文字
会話率:12%