正林堂
本業は印鑑屋、安い物件ならどんな土地でも購入することで有名。手に入れた土地はめったな事にでは手離さない。おかげで後を継いだ人はその土地の処分に苦労する。
桑山建設
知多半島でも大手の建売業者。人を人とは思わないところがあり、不動産仲
間からの嫌われ者。バブル時期にはしこたま儲けたが、バブル崩壊後多額の借金で苦しむ事になる。贅沢な暮らしの結果糖尿病の悪化で眼が見えなくなり、療養生活を送ることになる。
大筒不動産
彼は不動産よりも政治活動に熱心だった。革新系市長の右腕として幅を利かしていた。弁が立つし言う事は理路整然としていた。しかし不動産の取引には色々な問題を引き起こしていた。不動産屋仲間とのトラブルも多発していた。業者仲間の嫌われ者だった。
岩本不動産
常滑の不動産屋でも古参に属する。腰が低いし、相手が誰であろうとも、慇懃に接する。業者仲間の評判も良い。2人の息子は一人は代書屋、一人は測量士と立派に育っている。孫にも恵まれ、事実上仕事はしていない。年金が入るし子供達から小遣いももらえる。結構な身分だが、数年前に不動産詐欺にあっている。
大同不動産
本業は雑貨屋。バブル時期、不動産で儲けたが、その後のバブル崩壊時に儲けた金をすべて吐き出しその上借金を背負うことになった。彼もまた常滑不動産組合の古参に属する。宴会が好きでカラオケは玄人はだしである。宴会で誰彼なしに抱きついたりするので、女性会員から嫌われている。
山下不動産
山下不動産は女である。50歳の時に不動産の世界に入って今70歳。女だてらにという言葉があるが、建売用地を仕入れるとき、男顔負けの値渉をする。主人の山下氏は常滑でも有数の大地主である。夫婦仲も良く1年に一回夫婦そろって海外旅行もする。主人の趣味は写真を撮る事、山下不動産の趣味はプラモデル作成。
犬飼建設
彼は大工上り。仕事より名誉職が大好きで、不動産組合の副支部長もかって出る。字会やそのほか区長などもやっている。バブル時期、他の不動産屋の例にもれず大きく儲けた。バブル崩壊ご売れない土地を抱えて四苦八苦することになる。多くの名誉職を手にすることで、人より偉くなったと思い込む。その傲慢さが嫌われる原因となる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-02-05 09:08:28
62222文字
会話率:10%
坂本は名古屋の古本屋で本を買う。題名がオリオンミステリー。この本でエジプトの3大ピラミッドの配置がオリオン星座の三ツ星に比定されている事を知る。そして坂本は常滑の常石神社、大善院、神明社の配置もオリオン星座の三ツ星の配置に比定している事を
知る。
常石神社を伊勢の夫婦岩に比定すると、大善院が猿田彦神社、神明社が伊勢市山添町の神山一乗院に乗る事が判った。ここが磯部家の財宝の隠し場所と推定した坂本は、伊勢にいる磯部珠江に連絡。神山一乗院に行く日に珠江に会う事を決める。
知人の親が亡くなり、神山一乗院に行く日に葬式の手伝いを頼まれる。多忙を極めて、坂本はこの事を珠江に連絡しなかった。2日後神山一乗院に行く。そこで2日前に5人組の男達が坂本と同じ目的で当地にやって来た事を知る。彼らの内の1人の風貌を知った時、磯部洋殺害犯と推理した。そして坂本の行動は磯邊珠江を通じて、その犯人たちに筒抜けだと知った。神山一乗院は磯部家の財宝の隠し場所ではなかった。
坂本はオリオンミステリーの再検討を行う。その結果常滑市保示町のオオワダツミ神社がと古社がオリオン星座に深く関係している事を知る。古社を夫婦岩に比定すると、オオワダツミ神社の比定地が財宝の隠し場所であると強く確信する。
平成9年10月9日、朝。
オオワダツミ神社の比定地は伊勢の内宮から南に行った水穴という所であった。ここには石(なめ)神社跡地があり、巨大な地底湖を抱える洞窟もあった。事前の調査でここが磯部家の財宝の隠し場所と確信した。
当日ここにやって来たのは磯部珠江、寺島広三、向井純、そして十数人の若い男女たち。彼らが磯部幸一、岸田洋殺害の主導者である。
ソロモンの財宝(磯部家の財宝)が眠る洞窟に入ったのは、坂本太一郎、磯部珠江、寺島広三、向井純。
財宝に巡り合えたが、洞窟の壁が巨大な地底湖の崩壊により崩れて、坂本を省く3人は死ぬ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-01-23 08:35:20
57151文字
会話率:15%
平成9年6月21日、岸田洋殺害の訃報が入る。早朝、坂本太一郎、磯部珠江、岸田幾よ、吉岡刑事らは伊勢警察署に向かう。約3か月前、岸田洋は伊勢に行くと言って消息を絶っていた。
伊勢の岸田邸で岸田洋の葬儀が行われる。数日後、今度は四日市警察署
から中村作二が保護されたとの連絡が入る。彼は磯部作太郎の嫁とめが伊勢に移った後、中村健太郎との間に生まれた。平成9年1月に殺害された磯部幸一とは義弟に当たる。
坂本太一郎、磯部珠江、吉岡刑事らは急遽四日市署に向かう。担当の刑事から、中村作二は衰弱が激しく、緊急入院させたという。2時間ばかりの事情聴取はすでに行っており、中村作二の口から驚愕すべき事実が明らかとなった。
彼は磯部幸一や岸田洋らと共に磯部家の財宝探しに奔走しており、磯部幸一死後、脅迫電話がかかったり、身の危険を感じて、四日市に身を潜め、岸田洋と秘かに行動を共にしていた。
その彼が、磯部作次郎を殺したのは、磯部幸一、その片棒を担いだのが岸田洋と主張。
四日市署にの担当官から、岸田洋が夫磯部作次郎殺害に関係していたと知らされた時、磯部珠江の衝撃は大きく、以後彼女は伊勢の生家に閉じこもり、2度と常滑に帰る事はなかった。
一方、常滑に帰った坂本は、磯部家の財宝探しに精を出す。
磯部作次郎の資料から常滑の常石神社が磯部家の財宝の在り処を解く鍵だと知る。ただし磯部作次郎に資料はここまでで、後は、坂本は手探りで財宝探しに専念する事になる。
坂本は常石神社関係の資料から、昔は常石と書いてとこなめと読んでいた事を知る。応仁の乱後、古社は、常石神社、大善院、神明社の3社に分祀されたという。その理由として戦乱で神宝が失われるのを防ぐためとあるが、それだけの理由ではないと直感する。
しかしそれを証明する資料は存在しない。何の為に分祀したのか。坂本は磯部家の財宝隠しと関係があると見たが、彼の前には大きな謎が拡がるのみだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-14 09:38:20
61057文字
会話率:11%