『鉄壁聖女と剣聖乙女』
この国では広く親しまれている物語だ。
読み物としても、演劇の題目としても、吟遊詩人の歌としても普及している。
没落した貴族の令嬢が、剣聖乙女と称される女冒険者との出会いをきっかけに、聖女としての力に目覚め、彼女と
ともに旅をするもので、多くの困難と障害を乗り越えた二人が、それぞれの幸せを掴むお話だ。
しかし、ここに疑問が残る。剣聖乙女はともかく、なぜ『鉄壁』聖女なのか。
この物語は実話を基にしていると言われている。
それならば、そこに語られていない真実があるのではないか。
さあ、ともに真実の探求へと赴こう。
そこにあるのは語られるような幸福な結末なのか、それとも……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-04 10:00:00
52841文字
会話率:19%
私が体験した実話を元にした
罪人と、その罪人を愛した者が、時空を超えて約束を果たす物語。
「指切りって、なんで『指切り』って言うか知ってる?」
そう言う彼女は困ったように彼を見つめた。
四年前、現在も未解決の猟奇殺人事件が起きた
。
身体中三十ヶ所以上が刺され、部屋に謎の文字が壁一面に書かれ、遺体のあった中心部から被害者の血液で大きな魔法陣が描かれていた。
過去の記憶が曖昧な木村冬眞はある日、恩師の死に際にその事件が自分と関係があると告げられる。
恩師の元お教え子がその事件の被害者女性らしい。
恩師の死後、恩師がファイリングしていた資料を見ると、冬眞は徐々に過去の記憶を思い出していき、今の生活は何かがおかしいと思い始める。
一方、普通という言葉から大幅に外れた女子高生の水鳥麗は、幼いころから度々現れる謎の男性に対して疑問を抱いていた。
なぜ現れるのか、その目的をある日突然知ることになる。
そこから物語は真実へと動き始め、木村冬眞と水鳥麗の物語が交わって行く。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-03 20:00:00
176335文字
会話率:37%