草の民、花の民、獣の民、風の民。
夢幻のひとびとが息づく仙界には、およそ人界の自然にまつわるすべての生きものがヒトに似た容姿を得て生活しています。
――いえ、ヒトこそが彼らの派生でしたね。
それはさておき。
これは、草と花の
民の国のひとつ。アザムの国のお話。
(本文冒頭より)
◆◇◆
ツイッターで、一輪のアザミの蕾を囲むように生える緑のアザミたちの写真を拝見したことがきっかけでした。
投稿者さまの許可をいただき、それを擬人化したイラストを載せています。
夏の庭の片隅での攻防を、それとなく想像していただけると幸いです。
〜写真の投稿者さまと、読んでくださるすべてのかたに感謝を込めて〜
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-28 08:54:27
5921文字
会話率:42%
こんな言い伝えがある。一人の王女と三人の従者と旅に出ていたという話。様々な地域で、敵味方関係なく暴れていく連中の話。
善も悪もない。自分の基準で動いているだけ。
困りごとがあるなら、訪ねて見なさい。余計に災いをもたらすだろう。ただし、
それ以上に幸福を得るだろう。
望んでみなさい。答えてくれるだろう。剣と銃と魔法と、偏見で。
さぁ、さぁ、訪ねて見なさい。一人と三人の物語は、どこからでも始まる。
一人の王女と、一人のメイドと、一人の女騎士、そして一人の男が応えてくれる……。
「こんな雰囲気出しても、中身があれだとな」
「イツキ! 静かに!」
「いやだって、お姫様もあれだし。暴れてるだけだし」
「姫様を侮辱するな!」
「あれしか言ってないだろ。騎士様」
「う、うるさい!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-20 00:17:33
61311文字
会話率:49%