___とある時代の人間界、人々は光と影の間を渡り歩いていた。
都会からは程よく離れた村の神社で神主の子として暮らしていた少年、神楽。その妹である笑美とともに仲睦まじく平和に過ごしていた。
日常は、いとも容易く壊れてしまうものなのだと、二人
は気付いていなかったのである。
神楽と笑美は、祠に封じられていた神さま、もとい妖狐に騙され、彼女を解き放ってしまった。
妖狐は村を焼き討ちにし、笑美を連れ去っていった。その出来事により両親は命を落とし、神楽は天涯孤独の身となってしまう。
「父と母が残してくれたものを守りたい」
その思いで焼け残った蔵で暮らし、そこにあった書物を読み耽るうちに、神楽は自分が妖払いを生業としていた一族の血を継いでいるということに気がつく。それは両親だけでなく、拐われた妹、笑美にも当てはまることだった。
まもなく、村の土地を売り払うため、亡くなった村長、明石の息子が蔵に乗り込んできた。慌てて逃げまとう中、ひょんなことから祠にあったいかにも怪しい隠し扉を開いてしまう。
その扉の向こうは、今昔大小様々な妖たちが集う『妖界』と呼ばれる世界だった。
そこで、父に世話になったという妖の情報屋、一反と出会う。妖狐の話を聞き、神楽は再び笑美を取り戻す決意を固める。
その一方で、妖界での生計を立てるために、一反の紹介で癒し処『双葉』という店で働くことになった。妖狐の一件で妖たちに嫌悪を抱きつつある神楽だったが、先輩妖の因幡や伯耆を始めとする癒し処の者たちは皆個性が強く、そんなことを考える暇もない。すれ違いや喧嘩をするうちに、神楽は癒し処の皆を慕うようになっていく。
___そんな平和な時間の奥で、影は光を喰らうべく動き始めていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-11 21:14:05
3059文字
会話率:36%
それは温かな大きな大きな大きな花火のような一輪。
黄金華と呼ばれる存在・遊愛。そして吸血鬼である柚木は彼女をーー…。
20170804
最終更新:2017-08-04 08:10:39
7006文字
会話率:42%
妖あやかしを見ることのできる少年
八雲鈴弥(やぐもすずや)は高校から独り暮らしを始める。
なんとか引越しを終えたその日の夜
巨大な妖に襲われている謎の少女と出会うことになる。
少女を助けようと妖へ突っ込んで行った鈴弥だったがあっけな
く倒れてしまった・・・。
鈴弥が目を覚ますとそこには巫女の姿をした
少女の姿が・・・。
彼女は自らを紅月琴(あかつきこと)と名乗り
人間界に紛れ込んでいる妖あやかしを見つけ、
消滅させることが自分の使命だと語った。
最初は彼女の言動について半信半疑だった鈴弥だったが
ある事件がきっかけに妖払いの世界へ足を踏み入れ
そして
琴と同居することに・・・?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-27 17:10:08
10471文字
会話率:62%