自らの名前が好きではないジェイソン・マッキーソンは齢七十七を迎えた老人だ。一応、惰性で小説家を営んでいた過去があり、それ以外の職に就いたためしがない。ジェイソンの人生は寂しく、またパッとしない。妻に先立たれてからというもの、もっぱら家にひき
こもってばかりいる。そんな彼のもとを、ある日、突然、高校生くらいの年格好の少女が訪ねてきた。
「わたしの小説、読んでください!!」
聞くに彼女は彼の、私のファンであるらしい――。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-06 02:09:39
5829文字
会話率:44%
ある日、お見合いの席で相手に失礼を働いてしまったエトワール公国の令嬢、クール・サンパティー。
これが原因となり、相手方への責任を取らなくてはならなくなった父親によって自国から追放宣告されてしまう。
しかし悲しむ母や姉、そして父とは裏腹に彼女
の心は何一つとして動いていなかった。
幼い頃から人の心や自分の心が何も分からなかったクール。周りの皆の意見や本に載っている事こそが正しいと思っていたクール。
そんな彼女は、護衛であるカプリスと姉であるローズと共に各地を転々としていく。行き場の無くなった自分の本当の居場所を探すために。
そんな旅の最中、いつしか彼女の中には何かが芽生え始めていた。欠落していた心を埋めるための何かが。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-24 07:55:19
6431文字
会話率:72%
今、日本ではとある奇病がエピデミックを引き起こしていた。
別に生死に関わるような重大な病気ではない。
その名は根号ルート失感情症アレキシサイミアという。
根号ルートは数学でお馴染みの、ある値をaとして、b^2=a(bを2回かける
とa)となるbのことだ。
失感情症アレキシサイミアというのは、アメリカの精神科医・精神分析家としてハーバード大学医学部教授を務めたP・E・シフネオスが提唱した性格特性で、ギリシャ語から作られた造語である。
日本語では失感情症と言われている。
根号ルート失感情症アレキシサイミアにかかると、人間の元の感情全てをaとした時、その内の半分の感情bを表現する言葉を見つけるのが難しくなってしまう。つまり、言ってしまえば、自分の感情が、元の半分しか使えなくなってしまうという事だ。
俺はこの事を、√感情ルート感情と呼んでいる。
その中、高校生になったばかりの俺、津田マサキは√感情bを感情aに戻そうと、あるパートナーと一緒に患者を探していた。
今日は高校の入学式がある。
一体、どんな波乱が待ち受けているのか、
楽しみで仕方なかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-26 11:47:30
807文字
会話率:0%
少年は心を失った。
けれども、それに手をさしのべる人がいた。
※一度投稿したものの再投稿です。「カクヨム」様にも投稿させていただいています。
最終更新:2016-03-22 00:02:48
3022文字
会話率:25%