夏の香りが戸棚の隙間からするから開けてみると
つやつやの夏蜜柑何処から貰ったのだろう
紫陽花が雨に濡れて泣いているからそっと仏壇の線香の匂いを嗅いだ
死の香りがことりと胸に落ちてくる
梅雨の時期のさみしさはトイレの裸電球のようなものかもしれ
ない
夕べの夢は忘れました皆トイレに流します折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-15 14:32:36
2834文字
会話率:0%
人生とは孤独なのだよと誰しもと風の旅人は言う
孤独が人に教えてくれるものもあろう
燐寸を擦って煙草を咥える旅人
宿場町はなにも答えない
夏を教えてくれるものだけが私を救い
懐かしい玩具箱の中で布袋様の根付が嗤ってる
玄関に貼られたお守りの札
に赤い染み
どこか奇妙な大人の世界は
魔術のよう折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-21 09:41:45
3411文字
会話率:0%
夢を見て涙が零れて目が覚める
鳥居の下で誰かが嗤っていたんだ
シンクタンクの水たまりは揺れて言葉を濁す
悲しい夢だった夏の夢だった
貝殻の光る部分を撫でるように
座敷に堕ちた陽だまりに南無阿弥陀仏を唱えたんだ
そうしたら天井から覗いている黒
い影はすうっと消えた
夏の吐息を感じた折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-19 18:16:49
3005文字
会話率:0%