呪いの指輪と、悪魔と女性。
女性を呼び止める悪魔。
周囲には多くの人が野次馬と化す。
騒めきは徐々に小さくなっていき、それに伴い緊張が空気を固定する。
まるで街中に舞台を持ってきたのような出来事が繰り広げられるのだった。
皆、興味津々となっ
て事の経緯を見つめている。
この静けさが関心の高さを表しているのだろう。
悪魔が意を決したのか、女性に言葉を発する。
悪魔が捧げ持つ呪われた指輪。
それを見つめる女性。
その驚愕が、大きく見開かれた眼によって見ている者によく伝わる。
思いの吐露を堪えるように口元を押さえる指先は震えている女性。
信じられないものを見て後退りし、僅かに首を振る様子。
紅潮した悪魔の顔が一変し青褪めていく様を見て、勘違いしているのだろうと周囲は思った。
婚約破棄。婚約の申し込みを破棄されたんだという悪魔の思い込み。
客観的に見ている周囲にはバレバレの行為を当事者たちは気付きもしない。
女性に共感する者。
悪魔に同情する者。
このまま拗れて地獄を見ろ悪魔、と心で詰る者。
女性に届かぬ声援を送る者。
それぞれの思惑の中で、この突然の物語を楽しむ周囲の者たち。
そんな視線の中でのそれぞれの想い。
そんな視点でのお話です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-01 06:00:00
1000文字
会話率:3%
落ちこぼれのギルド受付嬢が、世界の裏側に左遷されるお話。
偉大なる叔母様、どうやら私、流されるままに生きてきましたが、もう少し遠くまで流されることになったようです。
最終更新:2016-03-28 23:53:43
205317文字
会話率:42%