荒野にぽつんと黒い塔と呼ばれる長い煙突を持つ館があった。
そこには囚われている少女たちが怪物の身の回りを世話をしていた。
絶望の中で生かされている少女たちは、夢見ることさえもできずにその日を生きている。
一方、お告げにより黒い塔を探
して遠い北方から旅してきたフィリエリナは、立ち寄った町で噂を耳にした。ときおり町に買い物に訪れる黒い塔から来る少女のことを。
噂を確かめるためフィリエリナは町にとどまり少女が来るのを見張ることにした。
お告げのとおり、少女を助け出すために。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-18 22:00:00
29543文字
会話率:20%
その男は、いずれ起きる予定だった最終戦争《ラグナロク》を、たった一人で未然に防いだ。
ヴァルキリーは、世界の終焉時に巻き起こる、神と巨人の最終決戦にて戦う英雄=エインヘルヤルとなる、勇猛な戦士の魂を神界へと運ぶ。
しかし、二十一世
紀、戦争をやめ、真に互いの手を取り合いつつある人類に、現代のヴァルキリーたちは数少ない英雄の魂を取り合う、修羅の如き様相を呈していた。
この道数百年の魂の運び屋ことヴァルキリー・ニースは、仲間たちの争いに加わらず、一人、注目されていない島国、日本へ職場を移動した。
世界で一番エインヘルヤルとして連れて行ける魂がいない場所と嘆かれながら、その実、原石となる者たちが眠る国だったのだ。
だが、日本では英雄の素質を持つ魂が異世界へ連れて行かれる、いわゆる異世界転移が起きていた。
その影響もあり、ひと月の間に運べた魂はゼロ。
落ち込むニースが異世界転移の存在に気付いた時、彼女に異世界よりの魔の手が伸びる。
そんな彼女を救ったのは、彼女が日本で最初に目をかけた英雄の素質を持つ青年だった。
これは、ベテランのヴァルキリーと、彼女から話を聞いて最終戦争の原因をたった一人で終わらせた青年と、彼の仲間になってしまったフェンリルの、出会いから始まる共同生活の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-12 17:00:00
61297文字
会話率:40%
勇猛な戦士の国である『モルドル国』の
遊牧民族の有力部族長のゲル(テント)
で同じ日同じ時に生まれた二人の赤子。
それが2人の定めの始まりだった。
一人は男、部族の長の後継となる者
一人は女、部族長である兄に敵対し殺された長弟の娘
2人
は驚くほど容姿が似ていた。
殺されるはずだった少女は、
後継となるべき少年の影武者となる事で生きることを許された。
共に育ち、
互いに互いが大切になりすぎた二人の恋は、
実ることは無いと分かっていながらも燃え上がる。
(自作品「太陽のカケラ」の転載です)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-07-26 21:22:03
146426文字
会話率:31%
中世のアンデス。多くの部族が興亡するなか、獣の一族として恐れられる部族があった。長の末娘キヌアは若いながらも一軍を任される将であり、優れた戦術と奇抜な策で多くの戦いを制してきた。亡き父王のように勇猛な戦士になりたい。その言葉を裏付けるように
彼女は戦士としての腕を着実に磨いていく。しかし、時代は彼女の一途な思いを裏切る方向へと動いていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-06-29 19:00:00
78009文字
会話率:27%