その男は、いずれ起きる予定だった最終戦争《ラグナロク》を、たった一人で未然に防いだ。
ヴァルキリーは、世界の終焉時に巻き起こる、神と巨人の最終決戦にて戦う英雄=エインヘルヤルとなる、勇猛な戦士の魂を神界へと運ぶ。
しかし、二十一世
紀、戦争をやめ、真に互いの手を取り合いつつある人類に、現代のヴァルキリーたちは数少ない英雄の魂を取り合う、修羅の如き様相を呈していた。
この道数百年の魂の運び屋ことヴァルキリー・ニースは、仲間たちの争いに加わらず、一人、注目されていない島国、日本へ職場を移動した。
世界で一番エインヘルヤルとして連れて行ける魂がいない場所と嘆かれながら、その実、原石となる者たちが眠る国だったのだ。
だが、日本では英雄の素質を持つ魂が異世界へ連れて行かれる、いわゆる異世界転移が起きていた。
その影響もあり、ひと月の間に運べた魂はゼロ。
落ち込むニースが異世界転移の存在に気付いた時、彼女に異世界よりの魔の手が伸びる。
そんな彼女を救ったのは、彼女が日本で最初に目をかけた英雄の素質を持つ青年だった。
これは、ベテランのヴァルキリーと、彼女から話を聞いて最終戦争の原因をたった一人で終わらせた青年と、彼の仲間になってしまったフェンリルの、出会いから始まる共同生活の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-12 17:00:00
61297文字
会話率:40%
社会人として平凡な毎日を送っていた主人公、椿は、己の半心であるシンに勧められるまま、会社の屋上で眠ってしまう。
夢を通って落ちたのは、天使が存在し、人間と堕天使が共存する、エデンと呼ばれる世界だった。
そこでは‟混沌の眷属”と呼ばれ
る魔物が蔓延り、人々の生活を脅かしている。
その世界で椿は救世主と呼ばれ、混沌の眷属から世界を救うための旅に出ることに。
椿の傍らには、声だけの存在でしかなかったシンが相棒兼ガイド役を務め、椿を支えている。
過酷な旅の中、様々な出会いと別れ、残酷な真実を知り、心身共に疲弊していくが、それでも必死に救世の旅を続ける椿。
これは、そんな救世主が闇堕ちするまでの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-04 02:49:22
225935文字
会話率:34%