彼女は感情の変化に乏しい人だった。
彼は、そんな彼女に無関心であった。
そんな夫婦であった彼らは、それでも何の変哲もない、当たり障りのない幸福を謳歌していた。
今日もまた彼女は彼の帰りを待つ。
彼の帰りを見送っている事にも気付かないまま。
最終更新:2020-10-05 22:20:55
5274文字
会話率:27%
男爵令嬢から伯爵夫人となったクレアは俗にいう玉の輿に乗ったお嬢様である。しかし彼女と夫の結婚生活は、愛なし、子供なし、離縁できない、という三重苦のなんとも切ない状況下で行われていた。そんな生活が7年も続いたある日、とうとう、愛人とその子供が
屋敷にやってきて、共に暮らすことに。そんななかクレアはなぜか冷静な態度を取る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-09-06 09:09:11
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会話率:41%