これは、ある孤悲の話――
ジェラルディーンはたった1日の結婚生活から未亡人となって約10年。母や妹達は再婚しろとうるさい。30歳の誕生日を目前にした最近は特にうるさい。
適当に交際相手をでっち上げてお茶を濁そうかと考えていた矢先、同じく結
婚を勧められてうんざりしていたギデオンを紹介される。
斯くして2人はお互いの利害の為に婚約者を装うことにしたのだった。
ワケありツンツンヒロインとちょっと情けない弱腰ヒーローが
悲しみの中から立ち上がり、新しい愛を見つけるまでの物語。
※毎日21時に更新予定!
※1話あたり約1万字前後と長めですので、お時間に余裕のあるときにどうぞ。
※アルファポリスさんにも同じものが公開されています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-28 21:00:00
110519文字
会話率:38%
磯貝徒真理(いそがいとまり)、三十三歳。徐々に曲がっていく背中、いつの間にか衰えた腹筋では支えきれない腹部の皮下脂肪、時の流れに身を委ねてしまった生え際。一年中五月病にかかっている様な無気力が知らぬうちに心の隙間を埋め尽くしていた。わき目も
振らずに三十路街道という名の坂を四十路と言う名の黄泉平坂に向かって駆け下る途中だった徒真理は、妻と息子に先立たれたことをきっかけに引きこもりニートになった。
ニートになって丸一年たったある日、親に代金を払ってもらっている携帯におかしなメッセージが。
「神さまから友達リクエストが届きました」
これは、自分の前頭部を進撃の額と呼んで周囲を凍り付かせていた徒真理が自身の「再生」に挑む物語。
立て! 国民よ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-06 09:00:51
25619文字
会話率:40%