磯貝徒真理(いそがいとまり)、三十三歳。徐々に曲がっていく背中、いつの間にか衰えた腹筋では支えきれない腹部の皮下脂肪、時の流れに身を委ねてしまった生え際。一年中五月病にかかっている様な無気力が知らぬうちに心の隙間を埋め尽くしていた。わき目も
振らずに三十路街道という名の坂を四十路と言う名の黄泉平坂に向かって駆け下る途中だった徒真理は、妻と息子に先立たれたことをきっかけに引きこもりニートになった。
ニートになって丸一年たったある日、親に代金を払ってもらっている携帯におかしなメッセージが。
「神さまから友達リクエストが届きました」
これは、自分の前頭部を進撃の額と呼んで周囲を凍り付かせていた徒真理が自身の「再生」に挑む物語。
立て! 国民よ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-06 09:00:51
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会話率:40%