★『わたし』は【名前】と【年齢】を失った。
家族旅行に行くために乗った飛行機が消え、数日後に公園で発見された時には、『わたし』以外の乗客がすべて機内で不審死しているのが見つかった。
『わたし』の遺体はなかった。
それも当然だろう。
『わたし』は異世界に攫われていたのだから。
目が覚めたのは閉館後の博物館のような薄暗い気味の悪い場所。
「泣いたら殺すわよ」
それが『わたし』がこの世界で最初に聞いた悪意だった。
『わたし』をこの異世界へ連れてきた魔女により、二つ目の人生が始まった。
誓ったのはただ一つ、復讐だけ。
強くなったら絶対にこの魔女を殺してやる。
『わたし』から、家族を奪った報いだ。
でも、魔女は『わたし』に愛情を注いだ。
守り、慈しみ、愛した。
罪悪感と疑問に苛まれる日々の中、ある事件が起こった。
何者かが、『わたし』の本当の名前を知っていたのだ。
そして近づいて来た。
『わたし』を殺すために。
☆★☆★☆☆★☆★☆☆★☆★☆
※平日更新。
※カクヨム、ノベルアッププラスさんでも掲載予定です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-05 21:00:00
330476文字
会話率:44%