「私の婚約者になりなさい! 拒否権はないわ!」
日比野美嶺(みれい)は由緒ある日比野家のお嬢様。彼女は男性の低い声をこよなく愛する偏愛者、いわゆる声フェチだった。
日比野家のしきたりでは、不純異性交遊を防ぐため、十六歳を迎えた女子は
速やかに婚約者を決めることとなっている。
親が選んでくるお見合い相手はどれも素晴らしい男性だったが、美嶺は声が気に食わずことごとく拒否。やっとのことお見合いに漕ぎ付けた男性側からしたら、「はじめまして」の第一声で「もう結構よ」と突き返されるのだから、たまったものではない。
外見と家柄は最高峰なのに、性格は高慢、高飛車。そのうち美嶺には『高嶺の徒花』などという浮き名まで流れ、十七歳になっても婚約者が決まらないという日比野家としては異例の事態となっていた。
そんな中、通学途中にたまたま出会ったごく普通の高校生、鏑木天真(てんま)の声に美嶺は雷に打たれたような衝撃を受ける。陰気で貧乏で天パ眼鏡といった一見良いとこなしの天真だが、美嶺はすっかりその声に惚れこみ、付きまとい、挙句の果てに公衆の面前でプロポーズをかます執着ぶり。
一方、高校に馴染めずいじめを受けていた天真。始めは美嶺を迷惑に思って遠ざけていたが、彼女の自由奔放さに次第に惹かれていく。
美嶺の婚約者になると決めた天真は、自分の声以外には興味を示さない美嶺を振り向かせようとするが、日比野家の数々のしきたりが邪魔をする。結婚するまで、キスはおろか手を繋ぐことすら許されないのだ。しかも、しきたりを破ったことが本家に知れたら美嶺の婚約者としての資格を剥奪されてしまうという。
「いいこと天真。私の婚約者でいるために、しっかりと理性を保ちなさいよ?」
声だけ聴かせてくれればいいから近寄るなと言う美嶺を、しきたりの範囲内で真っ直ぐに愛し続ける天真。高飛車なようで恋愛経験ゼロのうぶな美嶺はすっかり翻弄されて、いつしか声だけでは満足できなくなっていく。
天真が結婚できる十八才になるまであと一年。先に禁を犯すのはどちらなのか!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-06 12:55:57
47990文字
会話率:46%
一度死んでしまった人の中でも、若く、そして生を願った人々に与えられる敗者復活。
それを管理する一人の死神。
彼女は本当に信用するに値する存在なのか。
最終更新:2020-07-10 21:34:29
4093文字
会話率:30%
パペット工場。
それはこの時代の主要産業であるロボット産業の中でも大衆向け娯楽製品の生産拠点である。
そんな工場で2種電脳技能士として働く安藤 浩二はお金もない、時間もない、女っ気もない、ないない尽くしの30代。
人形を愛し、人形を
作り、人形のために働く。
そんな彼はこう呟く。
「あぁ、なんて幸せなんだ・・・」
愛する人形を守るため今日も彼は働きます。
ブラックな労働環境!
突如変更される作業工程!
糞の役にも立たない人間関係!
突如として現れる蛮族<バンデッド>!
って蛮族はちょっと勘弁していただけないでしょうか( ゜Д゜)
ストーリーそのものは近未来、大崩壊という事故によって世界が滅びた後。
それでもしぶとく生き残る人間と、人形以外を愛していない彼のハートフルなディストピアでのお話です。
なお完結する見込みはありません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-23 00:00:00
19255文字
会話率:22%
人形偏愛者の王様の元にいる王女の話
最終更新:2019-03-30 19:20:21
1604文字
会話率:42%
ギルド『ヴァイオレット・リタ』
――そこは魔属の討伐を生業とする魔装士(ウォーロック)たちが集う場所。
極度の妹偏愛者であるマスター、ネル・ファンノートルと、そんな彼を慕う仲間たちが紡ぐ物語。
最終更新:2017-10-05 20:29:11
1451文字
会話率:33%
嬉々として奇奇とした偏愛者達の恋愛騒動。
恋する放火犯。
同性愛の同級生。
死体を愛する吸血娘。
衝動的なストーカー。
無償の愛で人を愛する強姦魔。
愛で世界は救えない。…
気づ
いた時にはもう遅く、俺はもうどうしようもなく人を愛して、人に恋されて、赤い糸なんて俺にはない。 あるのは愛のみ、愛ですら…遊びでしかない。
この先どう足掻こうと、泥沼に嵌った虫は助かりはしないのだから。
恋愛騒動プロローグ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-02-10 02:58:10
1859文字
会話率:62%