――もしも、溘焉(こうえん)として逝く俺自身の運命が変えられるならば――。
周りからは『戦力外』と呼ばれ、期待をされない王国軍学徒隊員のある少年はひょんなことから『過去の歯車』という事実を書き変える力を持つ歯車を手に入れる。それを手に入
れたのは果たして偶然であるのか、それとも必然なのか――彼はその書き変えの力を使ってどのようにして『運命』を変えていくつもりなのか。そしてその行為の結果が少年の望む世界であるのか、望ましくない世界なのか。それを決めるのは彼自身ではなく、『世界』なのである。
そう、『世界』こそが全てのルール。いくら改変をしたとしてもそれが『正しい』とは限らないのだ。
だが、少年よ。そこから始まる世界の翻弄に揉まれながらも生きなければならない貴君の願望はなんであるか教えてくれないだろうか。この世界における小さな歯車だけを動かすのは貴君だと『過去の歯車』を手にしたときに『運命』が決めたのだから。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-16 20:14:48
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会話率:54%