中納言の姫、月白は、都の貴公子たちに「花の君」と囁かれるほどの美しい容姿を持つ十九歳の少女だ。右大臣の嫡男との婚儀が決まり、誰もが雅やかな縁談だと祝う中、月白の心には誰にも言えない秘めたる想いが深く根ざしていた。それは、彼女の異母兄である
蔵人頭の朝霧への禁断の恋だった。
都の慣習では兄妹の親しい交わりは禁忌とされ、二人が言葉を交わせるのは月に一度、病に臥せる母を見舞うわずかな時間だけだった。しかし、その短い時間に朝霧から漂う墨と白檀の香が月白の心を強く揺さぶり、彼の視線が薄衣越しに自分を捉えるたび、彼女の胸は抑えきれない熱を帯びる。叶わぬ恋だと知りながらも、月白は禁忌の想いを綴った和歌を密かに詠み、文箱に仕舞い込む。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-27 19:02:11
6144文字
会話率:8%
宇宙船が逃げていた。
逃げられないと悟った夫婦は、子供を脱出させる。
子供はエルフの森で元気に育ち、このまま平和に老いていく筈だった。
エルフの保護を謳う王が亡くなるまでは。
最終更新:2020-10-09 12:19:39
14791文字
会話率:41%
一四年前。
「人間との子ができた」話は魔王レジストリアの衝撃的一言から始まった。魔族、人間、エルフが大陸を三分する中で、魔族と人間との交わりは禁忌である。宰相ガトはその子の存在を隠すことにした。
しかし、時を経て魔王レジストリアが不
治の病に侵される。そして、未だ代わりの世継ぎはいない。魔王の意を汲んだ宰相ガトは苦渋の決断をして人間と魔王の子を後継者にしようとするが……なぜ、シスター!?
魔族視点のファンタジーコメディーになっています!
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すでに完結していますので作者の得意技、エタる心配はございません(一冊分ほど)。
半分くらいは毎日予定、あとは三日~七日くらいの頻度で二~三ヶ月ほどを予定
(次の一冊分が書き終わるまで)
読んで下さるだけでも、感謝感激マシンガンですが何かしら反応(餌)もくださればこれ以上のことはございません。いろいろご意見ぜひくだされば幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-03 07:30:34
83305文字
会話率:44%