初五郎と梅吉。
二人は江戸で食い詰めてしまい、上方の友人を頼って旅をしていた。
しかし路銀も食料も底をつき、もう二日も何も食べていない。
川を見つけるたびに水を飲んでいるが水なんかが腹にたまるわけがない。
そんな時、彼方の森に建物らしきもの
が見えて行くと山寺だった。
住職の好意に甘えて麦飯を腹いっぱい食べると、住職にここで出家して坊主にならないかと勧められる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-01 14:16:09
11307文字
会話率:1%
「小金餅」に「万金丹」、そして「蒟蒻問答」。
生臭坊主がキーパーソンとなる三席の古典落語を紹介して、生臭坊主たちの人物像と落語における仏教の位置付けについて考えます。
(※ 本エッセイは、ひだまりのねこ様御主催の「集まれエッセイ企画」の参加
作品で御座います。)
(※ 本エッセイの末尾に、黒森 冬炎様より頂きましたFAを貼らせて頂きました。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-25 06:00:00
5185文字
会話率:4%
失恋の傷が癒えない庄助を、素間は自身の尻ぬぐいのために、引っ立てる。しののめの主様は熊、夕刻の主様は菩薩だと素間は言う。朝、夕で御霊が変るということだ。
拝田の童を救った美月だが、美月の狙いは庄助の命だった。美月は、昭暝を使って、庄助暗殺を
企んだのである。
殺生の禁忌を企んだとなれば、美月には罪がある。美月は素間がお気に入りだ。尻ぬぐいは美月にして貰えと、庄助は突っぱねる。
美月は素間の弟だと素間は言い、自分たちの本性は、霊狐だという。
二匹の狐は、朝熊岳の主様に可愛がられ、僕となって暮らしていたが、兄狐の素間は、ひょんなことから娘に憑いてしまい、結果、野間家の子息に産まれてしまったのだという。
与太話だと、聞き捨てた庄助だが、素間の乳母、お舟の裏付けに、信じざるを得なくなる。
庄助は神の子だと、語る素間に、庄助は自身の父親の正体を知る。
再び、主様の御前に出た庄助は、以前と違って穏やかな様にほっとする。素間は都合良く話を作り替え、全ては大神様の思し召しだと、胸を張る。
上手く話を纏めた素間は最後に、霊薬を賜りたいと申し立てる。主様は、鼻をほじって霊薬を下賜した。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-29 21:52:29
481文字
会話率:0%
茂吉から、牛谷の神隠しについて聞き出した庄助だが、紫の君の衣装を牛のしょんべんで台無しにした事実がばれて、素間に罵倒される。着物の処理を、庄助の想い人、美月に依頼した庄助は、素気なく料金をふっかけられる。
牛のしょんべんのおかげで、町から姿
を消した紫の君を案じて、茂吉はげっそりとやせ衰えた。正体を明かせぬ庄助は心痛めつつ、さらに牛谷の神隠しについて調べようと茂吉の話を聞く。すっかりと紫の君に恋煩いの茂吉は、姿を消した紫の君を神隠しと騒ぐ世間に、つい、口を滑らせる。
紫の君は、茂吉と同じく、人攫いの籠を見たに違いない、それで口封じに攫われたのだ。
素間にいたぶられ、母にお仕置きを受けた庄助は、代理でおすぎお玉興行にでる。女姿の庄助に絡んだ、破落と騒ぎになる。いきり立つ庄助に、破落戸の仲間らしき男が狙いを定める。間一髪で騒ぎを収めた素間だが、素間はどうにもその男たちが気になるようだ。
紫の君の復活を命じられた庄助は、町中で情報を集め出すが、見かけた茂吉は意外にも素気ない。牛若興行で相方となった茂吉は、紫の君を諦めたという。嫁を娶ることになったと嬉しそうだ。
牛谷の嫁取り先は決まっている。いま、茂吉に見合う娘はいないと言う素間に、庄助も合点する。そして素間は、庄助に太兵の守りをしろという。禁忌を冒して太兵は夜な夜な村を抜け出している。後をつけた庄助は毎度、足の速い太兵を見失って、素間に叱責される。
牛谷の神隠しは人攫いだと、番屋に投げ文があり、素間は庄助に、牛谷の乞食に会って訊ねてこいと命じた。人使いの荒い素間に、庄助はちょっとした悪戯をしかける。
乞食に食われそうになった庄助は、命からがら黒門に逃げ込む。恐ろしい思いをした庄助だが、全てが素間の万金丹による幻覚だと知る。
村長に呼ばれた庄助は、拝田村の童が神隠しにあったと告げられる。世間では、御師が一人、行方不明になっている。庄助の悪戯で姿を隠した素間から、拝田を救いたければいつぞやの破落戸を探れと命令を受ける。いつぞやの破落戸は、浦口家の|仲間《ちゅうげん》だ。その男の情報を求めて動き回る庄助は、破落戸の相方と思われる印地打ちに襲われる。さらにもう一人加わった敵に、庄助は刃物を向けられる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-11 21:36:24
54225文字
会話率:25%
腹が減っていると不機嫌な素間は、庄助をいたく連れて料亭に向う。
伊勢の民人は、穢れに敏感であり、穢人である庄助は、一般の民人と同席、同火での食事はできない。料亭の女中は当然、庄助の入店をいたく拒むが、素間はまるで聞く耳を持たない。野間万金丹
の御曹司は、穢れなどどこ吹く風と、芸人村に入り浸り、庄助の寝床に寝起きする日もあるくらいだ。
押し問答の素間と女中の騒ぎを聞きつけ、店から出てきたのは、店の主だ。主は元御師で、庄助の贔屓の一人である。主は快く庄助を座敷にあげる。
やいのやいのとやかましい素間を制し、庄助は用件を問いただす。庄助は、不本意ながら、素間の手先を務めている。もちろん、報酬があるからだが、牛谷の目付衆に憧れる庄助は、いつか、自分にも捕り物の調べとかが回ってくるのではと、期待しているのだ。
牛谷の神隠しを探れという素間に、庄助は、馴染みの牛谷の若衆、茂吉に近づく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-10 21:28:31
8347文字
会話率:25%